急落の広島は再浮上できるのか 今こそカープに必要な意識 内田順三氏の視点「どこが軸で、誰が脇役なのか」

 広島は21日のヤクルト戦で痛恨の逆転サヨナラ負け。前半戦を借金7、5位で折り返した。6月後半から7月にかけて16試合連続3得点以下と貧打に苦しみ、一気に下降。チーム浮上へ必要となるものは何か。打撃の名伯楽、内田順三氏(デイリースポーツウェブ評論家)に聞いた。

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 今年のセ・リーグを見ていて攻撃面で阪神と他の球団の大きな違いを言えば、どこのチームも1番から5番まで固定できていない。カープも新井監督がメンバーを代えながら試行錯誤しているのは分かる。チーム打率そのものも悪くはないけど、もうひとつ得点力不足を打破できないよね。(チーム打率・242は阪神に次ぐリーグ2位)。

 いかにして得点力を上げていくか。後半に向けてやはりもう一度、機動力を見直すべきだと思う。カープと言えばスピード野球が特徴で、今のメンバーを見ても大盛、小園、二俣、羽月、矢野と、パッと挙げただけでも走れる選手が多い。1番から3番までは足のある選手を置いて揺さぶっていく。バント、エンドラン、スチールを多用するのもいいし、ヒット1本でサードまでいく。走ることを恐れず、常に心がけて一、三塁を作る意識を持ってほしいね。

 そうすることで相手にはミスも起きるし、配球も変わってくる。末包は出たり出なかったりという状況だが、今年の外国人はファビアンにしてもモンテロにしても能力がある。特にファビアンには相手も恐怖心を抱いているはずで、彼の前に足のある選手が出ることで、おのずと得点能力が上がってくるんじゃないか。どこが軸で、誰が脇役なのか。役割を明確に打走面をうまく絡めていけば、チームに変化も生まれるでしょう。

 チーム全体の意識として、ただ漠然と打ちにいくのではなく、しっかりと整理して打席に入ることも必要だね。よく「一発で仕留める」なんて言うけども、それは簡単なことじゃないからね。阪神は近本にしても中野にしても、40近く四球を選んでいる。今年は中野の状態も良くて1、2番が出てよく走る。他との差はこうしたところにも表れている。

 パ・リーグでは日本ハムの新庄監督が大胆な戦略でチームを変え、攻撃力を高めている。打線の組み替えも大事ではあるが、考えや発想を変化させていくことも必要だろうね。

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