広島・新井監督 5連敗5割逆戻り「我慢する時期」 打線は「底という感じしない」山崎に脱帽 関東アレルギー深刻7戦全敗
「巨人2-0広島」(30日、東京ドーム)
耐えるしかない…。広島が今季ワーストを更新する5連敗となった。開幕から無失点投球が続いていた巨人の山崎を攻略できず、今季5度目の完封負け。新井貴浩監督(48)は苦しい現状を「我慢する時期」と語り、選手の奮起を促した。勝率5割へと逆戻りとなったが心機一転、5月戦線で流れを取り戻す。
大音量で耳に入ってくる相手チームのヒーローインタビューを尻目に、ベンチ裏で新井監督は冷静に振り返った。直近5試合で4度目の1得点以下となる完封負け。「チャンスはつくったけどね。さすが、今シーズンここまで1点も取られていないピッチャーだった。『いいピッチングをされたな』というところかな」。山崎の力を認めざるを得なかった。
指揮官の言うようにチャンスがなかったわけではない。得点圏に走者を進めた場面は3度あった。勝負どころは2点を先制された直後の七回に迎えた1死一、二塁の好機。会沢に代打・坂倉、大瀬良に代打・堂林を起用して攻勢を仕掛けたが、ともに空振り三振に倒れ、山崎の開幕からの35イニング連続無失点というセ・リーグ記録をアシストしてしまった。
山崎には150キロに迫る直球と140キロ台のフォークに手を焼いた。「あれ(フォーク)は打てんやろうね。みんな『真っすぐにしか見えない』と言っていた」と朝山打撃コーチ。高速で切れ味鋭い落ち球に、カットボールやシュートなど多彩な変化球も交ぜられ手玉に取られた。
昨季は右腕に対して6打数4安打と打ちまくっていた4番・末包も、この日は3打数無安打に封じられ「内角のコントロールが良くなったイメージがある。今日に関しては自分のプランが少しあいまいだった」と唇をかんだ。
最大5あった貯金は瞬く間に消滅。東京ドーム、横浜スタジアム、神宮球場と関東圏にある球場では今季7戦全敗となり“関東アレルギー”も深刻な状況となってきた。
それでも新井監督は苦しむ打線について「底という感じはしないけどね。打席内容のいい打者もいるし、そんなに悪いというふうには感じないかな」とコメント。5連敗という状況にも「我慢する時期だと思うし、各自が今できることをしっかりやっていくという感じかな」とうなずいた。
3、4月は12勝12敗1分けで終え、5月に入る。秋山、モンテロ、佐々木らファームでリハビリを行っている選手の実戦復帰も近づいており「ケガで離脱している選手も徐々に戻ってくると思うし、それまでに(今いる選手の)いいものを見たい」と指揮官。積極起用されている若手野手の奮起に期待するしかない。




