広島 熱投一丸ドロー 新井監督「よく頑張りました」九里→島内→栗林→矢崎→森浦→塹江 無失点リレー

 「中日0-0広島」(28日、バンテリンドーム)

 広島は投手陣が踏ん張って延長十二回の末、今季3度目の引き分けに持ち込んだ。先発・九里亜蓮投手(32)は7回無失点の好投。開幕から5戦未勝利となったが、安定感を見せつけた。八回からは5人の継投で中日の攻撃をしのいで執念のドロー。新井貴浩監督(47)は「みんなよく頑張りました」とナインをたたえた。この日見せた粘りを次戦こそ、勝利につなげていく。

 敵地の盛り上がりを何度もため息に変えた。中日ファンが醸し出す、サヨナラ勝ちへの期待感が充満した終盤。そんなムードでも投手陣は最後まで本塁を踏ませなかった。6投手の継投による無失点リレーに新井監督は「本当、ナイスピッチング。全員よく頑張ってくれた」と接戦の中で粘りに粘った投手陣を称賛した。

 その下地は先発・九里が整えた。五回まで相手打線を2安打に封じ、主導権を渡さなかった。六回は1死二塁のピンチでカリステ、中田をいずれも遊ゴロに仕留めて決定打は許さない。続く七回も2死三塁と攻められたものの、村松を左邪飛に料理した。

 7回4安打無失点で前回登板から数えて計13イニング無失点。それでも開幕戦から5戦未勝利と4月は白星を挙げられなかった。「何とか勝ちを付けてあげたかったけどね。ナイスピッチングだと思います」と奮闘をねぎらった指揮官。九里本人は「自分の勝ち負けよりも、チームが勝てるような投球をすることが大事。次に向けて修正するところもあるので、しっかり準備していきたい」と次戦を見据えた。

 その後は相手との我慢比べとなったが、各自が難所をしのいだ。ハイライトは延長十一回、森浦が1死一、三塁と攻め立てられた場面。ここで代打・福永を迎えるとベンチは申告敬遠を選んだ。

 新井監督は「そのまま(勝負)だとタッチプレーになるから守りを考えて」と塁を埋めて、フォースプレーに備えたと説明。左腕は石川昂を二飛、岡林を二ゴロに抑えて絶体絶命のピンチを耐え抜いた。森浦は「1点取られたら負けなので、開き直って腕を振った。いい流れで他の投手たちがつないでくれたので、それに乗れたかな」と、うなずいた。

 打線は松山を今季初スタメンで起用。先発野手に左打者を8人並べた。「意図的に全部左でいこうではなくて。キク(菊池)も休養を与えようと思って、そういうふうになったという感じかな」と新井監督。高橋宏には3安打と封じられたが「次回対戦につながると思う」と攻撃陣の対応をプラスに捉えた。

 4時間3分の熱戦を戦い抜き、全員の力を結集させて負けなかった。「みんな、よく頑張りました」と指揮官。カープらしく一枚岩となって、相手に立ち向かっていく。

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