カープ大瀬良 闘魂みせたプロ初盗塁 痛恨被弾で連勝ストップも新井監督称賛「ああいう姿がエース」

 3回、二盗を決める大瀬良(撮影・伊藤笙子)
 盗塁時に汚れたユニホームのまま、力投する大瀬良
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 「ヤクルト3-2広島」(1日、神宮球場)

 広島の大瀬良大地投手(32)が一発に泣いた。初回2死一、三塁からサンタナに先制3ランを許し、5回3安打3失点で6敗目。二回以降は完全投球し、三回の攻撃時にはプロ初盗塁を記録するなど執念を見せただけに、悔やまれる1球になった。チームの連勝は6で止まったものの、貯金6の3位でシーズン折り返しとなった。

 大瀬良は、はじき返された瞬間に悟った。打球の行方を追わず、ただバックネットに視線を送った。初回2死一、三塁でサンタナに浴びた先制3ラン。完璧に捉えられた。

 「(高さは)悪くなかったけど、真ん中と言えば真ん中。外国人選手のちょうど手が伸びるところだった」

 3球目だった。そこまでの2球は外角へ外れて2ボール。そして低めに投じて空振りを狙った1球。少しだけ指先が狂った。

 最も避けたかった長打での失点にも、すぐさま気持ちを立て直した。「1点もやりたくなかった」。二回以降は140キロ台終盤の、力のある直球を軸に変化球を織り交ぜた。制球は安定。五回まで一人の走者も許さない完全投球だった。

初回3ラン被弾5回3失点6敗目

 六回の打席で代打を送られた。5回3安打3失点で喫した6敗目。神宮では19年7月26日以降、勝利がなく7戦4敗となったが、走塁でも意地を示した。三回、先頭から二失で出塁すると、菊池の2球目でスタートした。

 ピーターズが足を高く上げて投げることは確認済み。オスナも一塁から離れていた。

 「行けるなら行っても良いという話があった。点を取られているし、もう点を取りたいと思った」。挽回したい気持ちが体を突き動かした。プロ初盗塁だった。

 得点にはつながらなかったが、勝利への執念を体現した。新井監督は「試合前からチャンスがあったら行くよ、と彼には言っていた」と明かした。続けて「何でもいいからチームに貢献したいという献身的な姿が、野手の気持ちにも火を付けた。ああいう姿がエースなんだと思う」と力を込めた。

 チームの連勝は6で止まった。それでも、シーズンを39勝33敗で折り返した。勝率5割以上でのターンは19年以来4年ぶりだ。

 大瀬良は「責任を感じていますし、前を向いてやるしかない。次に向けて責任を持って調整したい」と顔を上げた。盗塁時に治療を受けた左足は「大丈夫」と言い切った。この悔しさを新たな力に変えて再び腕を振る。

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