広島ドラ5・河野 入団交渉難航も 「社会人での目標が上位指名だった」 悩める胸中明かす

 「社会人野球日本選手権・1回戦、東京ガス4-2大阪ガス」(31日、京セラドーム大阪)

 第3試合では広島からドラフト5位指名を受けた大阪ガス(大阪)の河野佳投手(21)が好救援を見せたが、東京ガス(東京)に2-4で惜敗し、史上初の大会3連覇を逃した。試合後にはプロ入りか、会社残留か、悩める胸の内を明かした。第1試合ではドラフト6位指名のトヨタ自動車・長谷部銀次投手(24)が好リリーフで初戦突破に貢献した。今夏の都市対抗大会を制したENEOS(神奈川)は2回戦に進んだ。

 3連覇を目指した大会で初戦敗退。河野は2点ビハインドの五回2死満塁から登板し、ここを切り抜けるなど3回1/3を2安打4奪三振の失点1(自責0)に抑えたが、納得はいかなかった。

 プロ入りについて問われると表情を曇らせた。「社会人での目標が上位指名だった。評価がそういうこと(下位)だった。まだ決めてないです」と悩める胸の内を明かした。

 昨年は社会人ベストナイン、最多勝利投手賞、最優秀防御率賞とタイトルを総なめにする活躍。プロ解禁となる3年目でも結果を残し、夢であったプロ野球に上位指名でいくつもりだった。

 ところが、都市対抗前に河野の体に異変が襲う。「のどの調子が悪くて熱が出て、1カ月くらい野球ができない時間が続いた」。扁桃膿瘍と診断され、都市対抗終了後に切開手術を受け、調整は大きく遅れた。ドラフトでは5位指名に終わった。

 「調子が悪いより体調不良。まともに投げられなかったのが悔しい。心残りがあります」

 この日はMAX151キロの直球を武器に高めで空振りを取るシーンが何度も見られた。万全だったらの思いは強い。プロを選択しない可能性はあるのかと問われると「はい」と答えた。

 今後、会社側と相談し結論を出すことになる。

 ◆河野 佳(かわの・けい)2001年8月23日生まれ。21歳。兵庫県加古川市出身。175センチ、81キロ。右投げ右打ち。投手。神野小3年時に神野スターズでソフトボールを始め、大州中では広島南シニアに所属。広陵では3年春にセンバツ出場。大阪ガスでは入社1年目に都市対抗デビューし、2年目の社会人日本選手権では2大会連続優勝に貢献しMVPに輝いた。

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