カープ新井新監督 2000安打達成で球場全体から注がれた祝福が証明したもの

 広島の新監督に新井貴浩氏(45)=デイリースポーツ評論家=が就任した。広島を愛し、広島に愛された新井氏の新たな船出。これまで同氏に関わってきた球界OBやデイリースポーツ記者らがその人となりを語り、熱いエールを送る。今回は2000安打達成の瞬間に立ち会った元カープ担当・井上慎也記者が当時を振り返った。

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 2016年4月26日のヤクルト戦(神宮)。ファンの大歓声を受けて入った第2打席で、大黒柱が放った左翼線を破る二塁打に鳥肌が立った。記者1年目の私が初めて目の前で経験した2000安打達成の瞬間だ。敵味方に関係なく、球場全体から注がれる祝福の声と拍手が、野球選手として愛される新井という男を物語っていた。

 グラウンドに立てば、少しの隙も見せない。その取り組む姿勢には目を奪われた。シーズン開幕へ向けて準備する春季キャンプでは、若手と共に早朝練習に参加するなど常に全力。野球に打ち込む姿は、16年から引退するまで使用していた登場曲のタイトル同様「全力少年」のようだった。

 初めてお会いしたのは15年12月14日。大阪での番組収録を取材させてもらった。その際に尋ねたのが残り29本と迫っていた2000安打について。「ピンと来ないね。記録はあとから付いてくるもの。それよりも優勝したい」と個人記録よりも、チームの勝利への強い覚悟を感じさせられる答えだった。

 驚いたのは、その年に大記録を成し遂げ、実際に「それよりも」と重視したリーグ制覇も果たしたこと。“神ってる”ではなく、地道に積んできた努力のたまものだった。(15~17年広島担当・井上慎也)

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