広島・玉村、150日ぶり白星 41年ぶり同一カード3戦連続完封導いた 虎に2差
「広島7-0DeNA」(4日、マツダスタジアム)
広島の玉村昇悟投手(21)が6回4安打無失点で2勝目を手にした。白星は4月7日の巨人戦以来150日ぶりだ。バットでも四回に先制の適時内野安打を放ち、チームは3試合連続完封勝利。19年以来3年ぶりで、同一カード3試合連続完封は81年の中日戦以来41年ぶりだ。逆転CS出場へ弾みのつく1勝になった。
充実感いっぱいの表情が印象的だった。先発の仕事をやり遂げた玉村が、汗をぬぐってベンチへ戻る。全力で腕を振り続けた85球。6回4安打無失点の好投で自身2勝目。チームを3試合連続完封勝利に導いた。
「久しぶりに0点で自分の登板機会を終えてマウンドを降りられたので良かった」
課題の立ち上がりを乗り越え、リズムに乗った。100キロ台のカーブを織り交ぜ、狙い球を絞らせない。「クリーンアップに仕事をさせないというか。打ち出したらすごい勢いがある。何とか粘ろうと思っていきました」。主軸の佐野、牧、宮崎に対して気後れすることなく強気に攻め、計1安打に封じてみせた。
四回2死一塁で大和を迎えた際、トレーナーらがマウンドに駆け寄る場面があった。気にしていた左人さし指について「無傷です」と何もなかったことを強調。この回を切り抜けると、バットでみせる。直後の四回2死満塁で遊撃への適時内野安打。貴重な先制点をもたらした。
前半戦は1勝。フォームに悩み、本来の投球が影を潜めた。5月に出場選手登録を抹消されて以降は、上半身のコンディション不良や新型コロナ感染があった。母校の福井・丹生高の春木監督に「頑張れ」と背中を押され、復活の道を模索。地道なフォーム固めが実を結んだ。
チームは19年4月以来で球団タイ記録となる3試合連続完封勝利だ。同一カード3試合連続は81年8月14~16日の中日戦以来、実に41年ぶりとなった。
2日の初戦で復帰登板した大瀬良が大黒柱としての意地を見せると、3日の第2戦では遠藤が続いた。救援陣も力投。この日の練習中には遠藤から「プレッシャーをかけられました(笑)。『お前、頑張れよ』と」。その言葉を力に変えて左腕を振り、結果で応えてみせた。
逆転で目指す4年ぶりのCS出場。6日からは敵地で中日3連戦に臨む。白星を積み重ねることでしか切り開けない道。「先輩たちが投げるので、やってくれる」。勝利を信じ、自らは次回登板に備える。