カープ西川龍馬 歓喜のサヨナラ弾 際立つ勝負強さ「今年に関しては自分の感情を」

延長10回、サヨナラ本塁打を放って生還しナインに手荒い祝福を受ける西川(中央)=撮影・立川洋一郎
 9回、大和の飛球を好捕する西川
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 「広島2-1DeNA」(7日、マツダスタジアム)

 広島・西川龍馬外野手(27)が延長十回にプロ初となるサヨナラ本塁打。チーム3度目のサヨナラ勝ちのうち西川は2度目の殊勲だ。2試合連続延長戦の苦しい戦いの中、ひと振りで勝負を決めた。先発・森下が9回1失点の好投。白星を付けることはできなかったが、チームの勝利につなげた。首位に躍り出たヤクルトを1ゲーム差で追走する。

 打球は大歓声に押されるように右翼ポール際に飛び込んだ。延長十回2死から西川のプロ初となるサヨナラ本塁打だ。

 「ちょっと詰まったんで“いかんかな”と思ったんですけど、なんですかね。入ってくれて良かったです」

 森下が9回1失点の快投も勝負が決まらないまま2試合連続の延長戦に入った。すでに4位・中日が勝利。落とせば今季初の4位転落という危機の中、勝負強い男がいた。

 4打席無安打で迎えた5打席目。抜群のバットコントロールを誇る天才に音なし、はあり得ない。三嶋とは前夜も延長十回に対戦し7球目を左前打にしている。2死走者なし。「思い切って打ってもいい場面。強いスイングをしてというのは心掛けて入りました」。カウント1-1から三嶋の内角高めスライダーを仕留め、劇弾にしてみせた。

 開幕時は1番だったが、4月22日・DeNA戦から3番になると54打数19安打の打率・352、2本塁打、6打点の好成績。特筆すべきは13試合で12得点を記録しているところ。47安打&25得点はいずれもリーグトップに立っている。頼もしい3番打者に佐々岡監督も「やっぱり一発というのは必ず点が入る。欲しいところで出たのが、こういうゲームになった」と興奮気味に話した。

 3月29日・阪神戦に続く今季2度目のサヨナラ打。勝負強さが目を引く。

 「去年はやられたらやられっぱなし。気持ちで沈む部分があったんですけど、今年に関しては自分の感情をある程度コントロールしながら、我慢しながらやっている」

 同級生の主砲・鈴木誠也がメジャー移籍する中、中心選手の自覚がプレーにも表れている。

 8日は母の日。1日早いプレゼントとなった。

 「それは考えていなかったですけどね。カープが出していた小さいお花と僕のグッズをお母さんと嫁さんのお母さんに贈りました」

 頼もしいだけでなく、心優しき背番号63。その姿にファンも家族も酔った。

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