大瀬良、生涯カープ 3年8億円、FA行使せず残留 熟考重ね、決め手は愛と縁

 広島の大瀬良大地投手(30)が18日、今季取得した国内FA権を行使せず、残留することを表明した。マツダスタジアムで会見し、“カープ愛”が決め手の一つになったことを明かした。3年契約で総額約8億円になる見込みで、生涯カープを貫く意気込みも示した。まずは来季、エースが4年ぶりのV奪回へ導く。

 ユニホームを着て会見場に入った大瀬良は、晴れやかな表情で切り出した。

 「私、大瀬良大地はFA宣言せずにカープに残留することを決断しました」

 4月に国内FA権を取得し、シーズン終了後は熟考を重ねた。「頑張ってつかんだ権利なので、悩むこともあった」。それでも入団から8年を過ごした広島への愛は強かった。

 「考えれば考えるほどやっぱりカープに対する愛着だったり、そういったものがどんどん強くなってきた」

 球団とは下交渉から複数回、話し合って17日に意思を伝えたという。決断までの過程では、これまでの縁も重視した。「ドラフトで競合で抽選という形になったんですが、そこで(担当スカウトの田村)恵さんが交渉権確定のくじを引いてくれて。そこからたくさんのご縁に恵まれて、今までやってこられた。ご縁だったり、そういったものに背を向けることはできないと思った」。球団、チームメート、ファン…。支えてくれた人たちの存在が、右腕の心を突き動かした。

 球団からは「長くカープで精神的な柱としてやっていってほしい」と伝えられたという。人生の分岐点で大きな決断を下した右腕は、チームを背負って戦っていく覚悟を決めた。

 「どこで(現役を)終えるのかとか、そういったことも考えた。また来季からお世話になる。1年でも長くカープのためにファンの皆さんのために一生懸命頑張っていきたい」と生涯カープを貫く構えだ。

 今季は故障離脱もあったが、規定投球回に到達して10勝5敗、防御率3・07。来季は4年ぶりのV奪回へ、チームを成績でも姿勢でもけん引する。

 「3連覇した時の状況を若い選手につないでいきながら、新しい強いカープを作っていければ。来季はしっかりと先頭に立ってAクラス、優勝、日本一に向けてまたみんなで頑張っていきたい」と力を込めたエース。これからも全力投球で広島を熱く盛り上げる。

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