龍馬 逆転V弾 平和を、4連覇を…緒方監督「特別な日に勝ちナイスゲーム」

 「広島8-4DeNA」(6日、マツダスタジアム)

 広島が「ピースナイター2019」で逆転勝利を飾った。西川龍馬内野手(24)が2-3の四回に決勝の左越え11号2ランを放った。ドラフト1位の小園海斗内野手(19)=報徳学園=も2安打2打点と貢献。首位・巨人とはついに1ゲーム差、2位・DeNAとは0・5ゲーム差に縮めた。9連戦初戦を取った赤ヘル軍団が、首位再浮上へ猛進していく。

 平和と核兵器廃絶を訴える12回目の「ピースナイター」で、勝利へ結び付けるアーチを架けた。1点を追う四回2死一塁。西川が上茶谷の3球目、外角高め直球を振り抜き、左翼席へ運んだ。逆転の11号2ランだ。これで球団史上2位タイのチーム16試合連続本塁打ともなった。

 「ヒットでつなぐことを最優先に考えてましたが、最高の結果になって良かった。広島にとって特別な日に活躍してチームが勝ったというのは良かった」

 執念が実った直後の出来事だった。この回は2死からアドゥワが三塁へのゴロでアウト判定となったが、リプレー検証で判定が覆りセーフに。アドゥワの激走をつなげる新・切り込み隊長のひと振りだった。

 黄金ルーキーも逆転への口火を切るなど、大きく貢献した。失策などで3点を先制された直後の二回2死二塁。小園が上茶谷の外角直球を左前へはじき返す適時打とした。「コースに逆らわずうまく合わせることができた」。緒方監督も「あの1点が大きかったよね。どんどんいいものを見せてくれている」と目尻を下げた。ドラ1は五回にも適時打を放っており、2安打2打点の奮闘ぶりだった。

 8月6日。原爆投下から74年がたった日に、ナインは特別な思いで一戦に臨んだ。試合前には黙とうを行い、鳴り物応援も自粛された。灯籠流しの灯籠に西川は「平和に野球ができることの幸せ」と記した。小学校の修学旅行で広島平和記念資料館を訪れ、展示物を見たり被爆体験者の話を聞いたりしたという小園は「やりたくてもできない人もいる中で、今幸せに野球ができている」と平和の尊さをかみしめた。

 指揮官は「9連戦の頭、まして広島にとって特別な日に勝ちで締められてナイスゲームでした」と話した。首位・巨人とは6月27日以来の1ゲーム差となり、2位・DeNAとは0・5ゲーム差。この勢いをつなげ、再び首位に躍り出る。

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