永川、CSへ猛アピール!満塁ピンチ救った 松坂世代おみご投2勝目

 「巨人7-8広島」(29日、東京ドーム)

 ベテランが猛アピールだ。広島・永川勝浩投手(37)が出場選手登録後即、存在感を示す投球を披露。七回2死満塁のピンチを救うなど1回1/3を1安打無失点で今季2勝目もマーク。CSファイナルSへのテストが今後も続く中、首脳陣へ好材料を残す20球となった。チームは40度目の逆転勝利で今季80勝目となった。

 CSファイナルSで、そしてその先の日本シリーズで力になるため、ベテラン右腕の意地を見せた。7-7の七回2死満塁。この日約1カ月ぶりに出場選手登録されたばかりの永川がみなぎる闘志を前面に出し、アドゥワに代わってマウンドへ。1ストライクからの2球目。亀井を内角カットボールで右飛に封じ、窮地の場面を脱した。

 「自分の球を投げることだけだった。ストライクゾーンに投げて少し詰まってくれた」

 八回も続投すると、代打・陽岱鋼を投ゴロ、大城も投ゴロに打ち取り、あっさり2アウト。坂本勇には左前打を許したが、田中俊を中飛に抑え1回1/3を1安打無失点。その後の味方の勝ち越しも呼び込み、今季2勝目もゲットした。状況次第では九回の登板もあったが、「同点で(あれば)九回に行けといわれたのは(自分としては)いいこと」とうなずいた。

 リーグ制覇は決まっても、プロ16年目右腕にとっては「CSで戦力になるかどうかの登板になる」と一戦一戦が勝負のマウンドと自覚している。結果を示し続けることで、短期決戦でもこの日のような場面で登板する可能性がある。緒方監督も「先の戦いに向けて見極めているところ。いいものを見せてくれた」と賛辞を贈った。

 昨秋の左膝手術を経て、2年ぶりの1軍登板を果たした今季。一時は勝利の方程式の一角で投げるなど、3連覇にも貢献した。優勝当日はビールかけにも参加し「楽しかったですよ」と最高の時を刻んだ。それでも「年間通しての仕事はしていない。最後の最後までチームに貢献したい。若い子と同じで毎日うまくなろうと、チームが勝つために」と語る37歳。同世代の「松坂世代」には引退を発表している選手が続々いるが、不屈の闘志は高まるばかりだ。

 チームは今季40度目の逆転勝利で、80勝にも到達。指揮官は「優勝が決まった後に関東のファンにも粘り強くいい試合を見せてくれた」とたたえた。「CSで、少しでも力になると思ってもらえるような内容と結果を出し続けないといけない」と永川。まずはポストシーズンの舞台に立つために、右腕の目はギラついている。

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