フランスア18試合ぶり失点 V決定足踏み…ヤクルトと直接対決で3連覇決める

 「広島3-5DeNA」(25日、マツダスタジアム)

 球団史上初のリーグ3連覇を目前にまさかの足踏みだ。同点の八回、大車輪の活躍を見せてきた広島のヘロニモ・フランスア投手(25)が、18試合ぶりの失点となる決勝2ランを被弾。26日からは2位・ヤクルトとの直接対決3連戦。26日こそ決める。

 超満員のスタジアムに悲鳴がこだました。同点の八回。この日、25歳のバースデーを迎えたフランスアがマウンドで表情を失った。1死一塁からロペスの打球が左翼スタンドへ消えた。ブルペンを支えてきた鉄腕ストッパーが、まさかの一発に沈んだ。

 前日と同じく、勝てばリーグ3連覇が決まる一戦だった。27年ぶり本拠地Vへ、ベンチも必死の継投を見せた。先発の中村祐が5回5安打2失点の粘投。六回から一岡を投入。ビハインドの展開でも勝ちパターンの投手をつぎ込んだ。一岡は失点したが、ベンチの執念が実って同点に追い付くと、七回からはフランスアをマウンドへ送り出した。

 期待に応えるように、ドミニカンは七回を無失点。そして、8月5日・DeNA戦(横浜)以来のイニングまたぎのマウンドに立った。しかし…、1死から筒香に四球を与え、ロペスに2ランを被弾。スコアボードに「0」を並べ続けていた左腕にとって、実に18試合ぶりの失点だった。

 二重の悲劇だ。その直前、ナゴヤドームで、マジック対象チームのヤクルトが九回2死から同点に追い付いた。中日が逃げ切っていれば広島のリーグ優勝が決まっていたが、現実は残酷だった。

 試合終了後は前日に続いて、球場のビジョンに中日-ヤクルト戦が映し出された。スタンドだけでなく、球場の外にも歓喜の瞬間に立ち会おうという熱心なファンが集結。だが願いは届かず、本拠地Vはまたしてもお預けとなった。

 試合後、グラウンドに出て鯉党へ頭を下げた緒方監督は「残念です」と自ら切り出し、「また明日しっかりやるだけ。やっている野球は全然問題ない。しっかり粘り強く戦えているので、それだけ。明日勝ちましょう」と言葉を絞り出した。

 この日、4年連続で主催試合の観客動員数が200万人を突破した。27年ぶりの本拠地Vへ足踏みが続くが、26日からは2位・ヤクルトと直接対決。優勝目前に訪れた試練を乗り越え、勝つ。

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