ドラ1中村プロでもなるぞ!マツダの鬼 鯉戦士として初見参で誓った
広島のドラフト1位・中村奨成捕手(18)=広陵=が14日、プロでも“マツダスタジアムの鬼”になることを誓った。この日は新人9選手がマツダスタジアムなどを訪れ、施設を見学。ドラ1の黄金ルーキーにとって、地元のマツダスタジアムはアマ時代に暴れまくった舞台。その相性のいい舞台がこれからは本拠地となるが、プロでもアマ時代同様に打ちまくる姿を早くも脳裏に思い描いた。
5カ月ぶりに足を踏み入れた。広島に入団が決まってからは、初めてとなるマツダスタジアム。中村奨はスタンドから穏やかな表情で球場一体を見渡した。ここからいよいよ激しいプロの世界がスタートする。
「高校とプロでは、また違った気持ち。中をよく見たのは初めてで、施設もすごい充実していた。早く1軍に上がって、もう一度試合がしたい」
今夏の甲子園を沸かせた“中村伝説”の始まりはマツダスタジアムだった。7月25日の広島大会決勝・広島新庄戦。左翼席へ決勝弾を放ち、チームを3年ぶり22度目の夏の甲子園へ導いた。その後、大会新の6本塁打を記録するなどの大活躍で準優勝。「中村奨成」の名を全国にとどろかせた。
実は高校以前にも足を踏み入れている。中学3年時に出場した「瀬戸内中学生野球大会」の決勝戦。その時もランニング本塁打を放ち、チーム初の優勝に貢献した。「中学、高校と優勝していますし、相性はいい」。本拠地に悪いイメージはない。
出場すれば地元だけに友人や関係者が応援に来てくれるのは間違いない。「これまで友達が観戦に来たらあまり打てていない」と振り返るが、「プロに入ったら、そのジンクスを打ち破って、友達が来た時こそ打てるようにしたい」と仲間の声援を力に変えて勇姿を届けるつもりだ。
マツダスタジアムでの1打席目のイメージは膨らんでいる。「簡単にはホームランは打てないが、自分らしい、強い、いい当たりを打てたら、いいスタートを切れる」。快音を響かせ、大歓声を背中に受ける姿が目に浮かんでいる様子だった。
この日は一般市民が球場を使用していたためグラウンドに立つことはできなかったが、隣接する室内練習場やトレーニング室を見学した後、廿日市市にある大野練習場に移動。これから始まるプロ生活へ向け、入念に確認した。
プロ1年目となる2018年がもうすぐ幕を開ける。「ファンの期待に応えられるプレーや全国の野球ファンの方に夢や感動を与えられるようにしたい」。怪物捕手が真っ赤に染まったスタンドを揺らす。