緒方監督 日本一で恩師たちに恩返し 「ここ数年、次々に亡くなっていく」

 広島の緒方孝市監督(47)が4日、天国の恩師たちにささげる日本一達成を誓った。3日に明らかとなった広島OB・山本一義さんの訃報に悲しみ、恩人へ思いをはせた。近年は元広島監督・三村敏之さん、鳥栖高の監督・平野国隆さん、担当スカウト・村上孝雄さんらが死去。32年ぶりの頂点をつかみ、恩返しを果たす。

 まだ信じられなかった。3日に突然、舞い込んできた山本一義さんの悲報。所用で3日の練習を休んでいた緒方監督は、遠くを見つめながら恩人との記憶をよみがえらせた。

 山本一義さんが広島のチーフ兼打撃コーチを務めていた94~98年に指導を受けた。

 「野球の全てを教えてもらった。ユニホームを着ている時、着ていない時の過ごし方を教えてもらった」

 大野練習場への行き帰りで1時間、話をしてくれたこともあった。キャンプ中は毎日、ミーティングとスイング漬け。山本一義さんと過ごした日々が、選手として、人としての礎となった。

 指導は15年の監督就任後も続いた。「唯一、叱ってくれる人だった。それが全て。叱ってくれる、褒めてくれる。この立場になると、なかなかいなくなる。ものすごいありがたかったし、勉強になった。結果に対して何か言われたわけじゃない。もっとファンの方に向けて力強いコメントをしろ、とか」。感謝の思いは、次々と言葉となった。

 山本一義さんとの思い出を振り返っていると、自然と恩人との記憶もよみがえった。09年11月に元広島監督・三村敏之さんが亡くなり、13年12月には母校、鳥栖高の監督・平野国隆さんが急死した。今年1月には担当スカウトだった村上孝雄さんも天国へ旅立った。

 「ここ数年、自分の恩師が次々に亡くなっていく。本当に寂しい」

 今年は25年ぶりにリーグ優勝を果たし、野球でつながった恩人に、野球で恩返しするチャンスがある。

 「一義さんもそう。カープに関わってきたOBの方々も優勝が見たい、と思っておられたと思う。今年は日本一を狙えるチャンスがある。結果を残して、報告することができれば、それが一番の恩返しになる」。マツダスタジアムの全体練習では選手の動きを注視。先人の思いを受け継いだ選手たちとともに、32年ぶりの日本一をつかみに行く。

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