立役者「キクマル」菊池は精神面で成長、丸は不動の3番としてけん引

 「巨人4-6広島」(10日、東京ドーム)

 抱き合い、そして絶叫した。ようやく重圧から解放された。チームリーダーとして臨んだ16年。重責を果たしてつかみ取った25年ぶりのリーグ制覇だ。もう感情を押し殺す必要はない。広島・菊池涼介内野手と丸佳浩外野手がグラウンドではじけた。

 菊池は8日・中日戦の守備で右膝を打撲しながら強行出場。「打つべき人が打って、やるべきことをやった。うちの今年の勝ち方ができた」。優勝決定後、緒方監督のインタビュー中は三塁ベンチで涙を流した。

 丸も五回に鈴木の2ランへ結びつける左前打を放った。「報われたという感じ。できる時もできない時もあったけど、サポートし合ってかみ合った」と声を弾ませた。

 菊池にとって忘れられない試合が8月7日の巨人戦だ。負ければ3・5ゲーム差に迫られる一戦で、九回に沢村から劇的な同点ソロ。新井のサヨナラ打へつながり、チームは優勝へ推進力を増した。

 黒田が「メジャーを含めてトップクラス」と評する守備で何度もピンチを救った。グラウンド外でも自覚が芽生えていた。ある若手投手が失点を重ねて降板後、ベンチでグラブを投げたことがあった。和を乱す行為を看過せず叱責(しっせき)。プロ5年目。視野も広がっていた。

 丸も勝負どころでめざましい活躍を見せた。「小窪さんにチームを引っ張っていってくれ、という話をしてもらった。出続けている以上、プレーで引っ張らないといけない」。選手会長の言葉を胸に刻み、不動の3番としてグラウンドに立ち続けた。

 丸は言う。「キクがいなかったらこのチームはここまで勝ててない」。2人のどちらが欠けても優勝はなかった。キクマルのプレーが選手に自信を植え付け、チームはAクラス争いの常連となった。そして、2016年9月10日。優勝という大輪の花を咲かせた。

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