広島奇跡サヨナラ!九回2死から逆転 菊池同点弾、新井が決めた!ほえた!V二塁打

 「広島8-7巨人」(7日、マツダスタジアム)

 あと一人から奇跡が起こった。6-7の九回2死、菊池涼介内野手(26)が起死回生の11号同点ソロを左越えに放った。さらに2死一塁、新井貴浩内野手(39)が左越えに勝ち越し二塁打を放った。広島は今季8度のサヨナラ勝ちで連敗を4で止め、2位巨人とのゲーム差は再び5・5。今季60勝リーグ一番乗りじゃ!

 ヒーローは右膝を付き、右拳を突き上げた。新井がほえる。ベンチから快足を飛ばした菊池が胸に飛び込む。「ありがとう、ありがとう」。二重、三重の輪の中心で、なぜか感謝の言葉が口を突いた。今季8度目のサヨナラ勝利。新井、菊池で連敗を止めた。

 九回2死。絶体絶命のピンチで菊池が打席に立った。「勝ちたい気持ちだけだった」。初球、沢村の直球をフルスイングした。プロ初の1試合5安打目の打球は、左翼スタンド上段まで到達する起死回生の特大11号。殊勲の男は「完全に芯を食った。(打った直後は)めったに歩かないけど、歩かせてもらいました」と笑った。

 「キクのホームランでヨシッ、絶対行くぞ、絶対勝つぞと。そういう気持ちでした」

 新井はベンチからボルテージを高めた。丸がフルカウントから四球を選び出塁。打席に立った4番は2球目、浮いたスライダーを狙った。「早く落ちてくれ、落ちてくれ、と。それだけだった」。本塁打はいらない。思いを込めた白球が左翼手の左で弾むと、一塁から丸が一気に生還した。

 「とにかく勝てれば、なんでもいい。本当にチーム一丸となっての苦しい勝利。チーム全員の1勝です」

 返り討ちを狙った巨人3連戦。首位の重圧か、1点差で2試合を落とした。「苦しい」。新井が心情を吐露すると、菊池も初めての感情を明かした。「最近は1勝にうれしく、1勝に悔しい。初めての気持ちだけど、この位置にいるからこそ」。敗戦を糧に、重圧を力に戦った。新井の存在が菊池の支えだ。

 「僕の夢でもあった、新井さんと2人のお立ち台。最高でーす!!」。新井の広島復帰後、練習に取り組む姿勢や、試合の準備など多くを学んだ。39歳にして衰えぬ練習量、向上心。その存在を「ゴッド」と言った。「昨年、広島のアニキに背中で語ってもらった」。食事に行けば野球の話が尽きない。アニキの背中は目標になった。

 連敗を4で止めて今季60勝リーグ一番乗り。球団では80年以来36年ぶりだ。同年は2年連続のリーグ優勝、日本一。25年ぶりの頂点へ吉兆となる勝利だ。「全員で勝つ」。菊池が力を込めれば、新井も「また火曜日から一丸で勝つ」と気を引き締めた。一戦必勝、一丸野球でまっしぐらに駆ける。

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