黒田足踏み…投球回数は現役最多に
「交流戦、広島6-4オリックス」(17日、マツダスタジアム)
必死に粘りながらの投球は、土壇場の同点劇を生み、サヨナラ勝利へとつながった。日米通算199勝目を狙った登板で、広島・黒田博樹投手は6回6安打3失点。不本意な投球に降板後、ベンチで首を横に振ったが、試合後には「結果的にこういうゲームになったのでヨシとします」と前を向いた。
2点差の五回だ。1死からクラークとの対戦。来日後、まだ1本の安打もない打者。1ボールから2球目、スライダーが真ん中に甘く入った。完全な失投。打球は右翼席中段に飛んだ。自身に怒りを隠すことなく、マウンドで顔をしかめた。
三回も不用意な失点だった。糸井に中前打を許した2死二塁。クラークにフルカウントから四球を与え、続くT-岡田に右前適時打を浴びて先制点を献上。さらに小島の一ゴロを、今季初めて一塁で先発出場したルナが捕球ミスした。
ただ、積み上げた記録は輝きを放つ。日米通算の投球回数が3265回に到達。現役最多だった三浦(DeNA)を超えた。日米通算200勝は目前。勝利数ばかりがクローズアップされるが、投球回にこそエースの矜恃(きょうじ)がある。
「大事にしてきたのはイニング数。メジャーで一回登板を飛ばしたら、200回は絶対にいかない」。98球の粘投は九回の同点劇を呼んだ。次回は一度抹消され、28日からのヤクルト3連戦で登板予定。10日間で状態を整え、チームを勝利に導く。