上本、ポスト木村昇じゃ!紅白戦で活躍
「広島秋季キャンプ」(12日、日南)
広島・上本崇司内野手(25)が12日、宮崎・日南秋季キャンプで行われた紅白戦で、攻守に活躍した。今季は1軍出場がなかったものの、守備力はチーム随一の男が、課題の打撃面でアピールに成功。FA権を行使し、退団が確実となった木村昇吾内野手(35)の穴を埋める1番手に名乗りを上げた。
快音を残し、打球が右翼手の前で弾む。上本が一塁上で拳を握った。二回1死三塁、中村恭から適時打を放った。「自分の打撃はまだダメ。たまたまです」。直後に二盗を決め俊足も披露したが、控え目に振り返った。
そして三回。遊撃の守備で、二遊間を抜けそうな打球に飛びつきアウトにした。「守備には自信がある。(内野なら)どこでも大丈夫」。こちらは胸を張った。
入団3年目の今季は初の1軍出場なし。ウエスタンでは86試合で打率・238、2本塁打。守備は抜群で足もあるが、今年も打撃が課題に残った。
ただ来季はチャンスが広がる。木村昇がFA権を行使。球団は宣言残留を認めない方針で、退団が確実になった。緒方監督は「若手にはチャンス。1軍の枠が一つ空くからね」と話した。
緒方監督は昨秋のキャンプで、上本に左打ちに取り組むことを提案し、両打ちに転向させた経緯がある。「彼は守備なら(木村昇の)穴を埋められる。今日のようなもの(打撃)を見せたら彼の評価につながる」。来春キャンプ1軍メンバー入りに前進したことを認めた。
木村昇の穴を埋め1軍定着へ。上本は「そんな簡単なものではない」と言いながらも「今年は最低。来年は1軍にいたい」と言葉に力を込めた。