「広島５－０中日」（８日、マツダスタジアム）

　広島打線の天敵・八木を沈めたのはエルドレッドだ。鯉キラーの出ばなをくじく１４号２ラン。「ライナー性の打球だったけど力で持っていけた」と相好を崩した。自慢のパワーで左中間席最前列に放り込み、誇らしげにナインとタッチを交わした。

　０－０の初回２死一塁。４球目の真ん中に甘く入った直球を振り抜いた。２球目の外角チェンジアップを空振りしたことで「コンパクトに振ろうと思った」。打席の中での軌道修正が、価値ある一発を呼び込んだ。

　チームはこの試合まで八木と５試合対戦し、八木に３勝を許していた。打線が奪ったのはわずか２点。それでも「僕は対戦が１試合しかないから嫌な印象は持っていないんだ」。自らのスイングに集中できたことも最高の結果につながった。

　この日は「私が元祖カープ女子！　１日ホームランガール体験」が実施された。本塁打を放った選手に、スラィリー人形を手渡すホームランガールを５０代以上の女性が日替わりで担当するもの。「運を持ってきてくれた。明日も来てほしいよ」と白い歯をのぞかせた。

　八回には全力疾走で三塁適時内野安打を勝ち取った。２安打３打点の活躍に、「調子はいいよ」とニヤリ。短い言葉が、頼もしい。