広島・黒田全快7回0封!執念星呼んだ

 「ヤクルト0-4広島」(5日、神宮)

 広島の黒田博樹投手(40)が7回無失点の熱投で勝利を呼び込んだ。右手首打撲後、中6日での登板だったが、強力燕打線相手に痛みを感じさせない106球の力投。九回には鯉打線が黒田の姿に応え、一挙4点を奪う猛攻を見せた。チームの連敗は2でストップ。大逆転Vへ、まずは連勝でカード勝ち越しを決める。

 敵地神宮が赤く、赤く揺れる。試合後、ファウルゾーンを歩く40歳右腕に、この日一番の歓声が注がれた。7回3安打無失点。9勝目には届かなかった。だが勝利の殊勲者を、誰もが理解していた。ナインを鼓舞した106球。黒田の熱投がチームの連敗を止めた。

 「走ってくるのは分かっていた。向こうも勝負を掛けてきていたので。あそこで抑えられてよかったです」

 強力打線相手に「力」と「技」で向かった。右手負傷後、中6日で迎えたマウンド。最大のピンチは七回だ。先頭山田に右前打を浴び、盗塁を警戒して10度、けん制球を投げた。畠山を二飛、雄平を中飛に打ち取ったが、2死後に山田に二盗を許した。それでもミレッジを二ゴロに抑えて無失点。熟練の技が光った。

 野手のミスで招いたピンチは「力」で向かった。五回無死一塁。二遊間の打球を捕球した田中が、併殺を焦って捕球ミスした。無死一、二塁で、打席に迎えたのは8月11日の対戦で本塁打を喫した大引。だがこの日は内角のツーシームで二飛に抑えてリベンジ。続く中村も内角勝負。制球ミスが許されぬ強気の勝負で、三ゴロ併殺に打ち取った。

 8月18日の中日戦(ナゴヤドーム)と、29日のDeNA戦(横浜)で打球を止めようと右手を出して負傷した。だがその影響を感じさせない熱投に「バッティングがよくなかった」と笑う。痛みが完全に消えたわけではない。それでも負傷直後にアイシングして以降は、テーピング固定すらせず練習を続けた。

 「チームが勝ったからいいです。この時期、自分の勝ち負けは二の次でいい。チームにとって大きな1勝。大事な試合だったので、本当によかったです」

 負ければ6日にも、自力優勝の可能性が消滅する危機だった。3位巨人とのゲーム差も3に縮めた。闘争心を前面にした力と、プロで培った技で強力打線を封じた黒田。次回は中5日で11日の首位阪神戦に向かう。残り24試合。大ベテランの気迫が浮上の兆しになる。

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