福井自己最多タイ8勝目!8月の男だ

 「広島7-2DeNA」(16日、マツダ)

 広島・福井優也投手(27)がルーキーイヤーの11年以来となる自己最多タイの8勝目を挙げた。今季最多1試合4本塁打の援護を受け、八回途中1失点の力投。チームは2カードぶりの3連戦勝ち越しで、3位・巨人に2ゲーム差に迫った。残り39試合。福井が反撃の旗印となる。

 本拠地にこだまする声援。福井が汗をぬぐう。5-1の八回2死一塁。山下幸の打席中、鯉党から「頑張れ、福井」の大合唱が起こった。右前打を許し大瀬良にマウンドを譲ったが、今季最多124球の力投に、温かい拍手が注がれた。

 新人時代の11年以来となる自己最多タイの8勝目。「立ち上がりから飛ばした。少しでも長く投げようと。(声援は)余裕がなくて聞こえなかったです。(八回を)投げきれなかったのは悔しいけど、チームが勝って良かった」。試合後は気持ちよさそうに汗をぬぐった。

 四球を4つ与えても慌てなかった。直球、スライダー、フォークを軸に「今まで通り試合をつくることを考えた。チームが勝てばいい」。精神的な余裕が身につき、四球から崩れる悪癖は消えた。

 緒方監督は「今年の成長点だろうね。ボールが先行してもバタバタしなくなった」と目を細めた。3位・巨人と2差。福井への信頼感は増している。

 福井は開幕当初、先発6番手だった。雨天中止などがあれば登板機会が流れ、中17日で先発したこともある。今や前田、ジョンソン、黒田と並ぶ先発4本柱の一員だ。8勝3敗として、貯金5は投手陣で最多。負けない男に成長した。

 11年の8勝と比較して「1年目は訳も分からずチームに勝たせてもらった。今は自分で課題を持ちながら勝てている」とうなずいた。2年目以降の伸び悩みを乗り越えた。

 体調管理が難しい夏。入浴時間を長くし、冷房を控える。登板前日は大好きなコーヒーを飲まない。「意識し始めたのはこの夏から。あまり制限をするとプレッシャーになるので、あまりしてこなかったんですけど。夏くらいは我慢してもいいかな」と勝利のために節制に努めている。

 プロ通算22勝のうち8月に8勝。得意の夏。さらなる加速へ「KOされるイメージはもうない。これからも試合をつくっていく」と気を引き締めた。

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