広輔決勝ホーム!鯉に久々連勝呼び込む

 「交流戦、オリックス3-4広島」(30日、京セラ)

 広島が接戦を制して、6カードぶりの勝ち越しを決めた。チームを久々の連勝に導いたのは、1番に座る田中広輔内野手(25)だ。九回に先頭打者として二塁打を放ち、相手の暴投で貴重な決勝のホームを踏んだ。3安打2得点の活躍で打率を3割に乗せた切り込み隊長が、チームの巻き返しへ勢いをつける。

 誇らしげにヒーローインタビューを受ける姿があった。敵地を赤く染めた鯉党の歓声が心地良かった。田中は「勝ててほっとしています。最後は絶対に出塁するつもりだった。(平野佳は)直球が一番いい球なので、それに絞って打ちました」と、胸を張った。

 3-3の同点に追い付かれた直後の九回だ。先頭で、平野佳が投じた初球の149キロ直球を左線に流し打った。迷いなく一塁を蹴る。「打球が跳ねたのでいけると思った」。快足を飛ばし、二塁打にした。菊池の犠打で三塁に進むと、丸の打席での暴投で決勝のホームを踏んだ。

 七回にも先頭で中前打を放ち、その後新井の適時打で生還した。チーム最多9度目の猛打賞となる3安打2得点をマーク。「初球からどんどんいこうと思っていた」と、持ち味の積極性が生きた。

 チームは接戦を制し、4日から10日にかけての6連勝以来の連勝。6カードぶりの勝ち越しだ。緒方監督は「相手に勝ち試合の継投をされて勝ったのは大きい。1番の(田中)広輔が出て、2番の菊池がしびれる場面で、今日は3つも犠打を決めてくれた」と1、2番コンビをたたえた。

 発奮材料があった。JR東日本時代の後輩で二遊間を組んだ西野、先輩の川端がオリックスでスタメン出場。「お互いに意識しあってできているのでは」。自分と同じように高校、大学時代はプロ入りがかなわず、社会人で夢をつかんだ2人の存在を力に変えていた。

 これで30試合連続「1番・遊撃」に座る。5試合ぶりに打率を3割に乗せたが「まだ先は長い。自分ではあまり調子がいいとは考えていない」と気を引き締めた。

 田中は日頃から「自分をレギュラーとは考えていない」と危機感を抱く。26日・ロッテ戦(尾道)では右脇腹と左上腕に死球を受けた。痛みは残っているが「大丈夫。僕はケガには強いんです」と話す。遠回りした憧れの世界。プロ2年目。結果を出しても浮かれず、さらに大きな花を咲かせる。

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