CS秘密兵器は下水流 左殺しが能見撃つ

 能見攻略の秘密兵器は遅れてきた新人だ。広島の下水流昂外野手(25)は9日、CSファーストS(12日開幕、甲子園)で対戦する阪神の左腕討ちを誓った。この日は台風の影響で全体練習が中止になったが、マツダスタジアムで自主練習を敢行。自分の仕事は「左投手だけ」と豪語する新人が、大舞台で暴れ回る。

 台風の影響を考慮し、全体練習から自主練習に変更されたが、休んではいられない。マツダスタジアムに足を運んだ下水流はCSファーストSに備え、ウエートトレーニングで汗を流し、体のケアも入念に行った。

 右打者不足のチーム事情から、シーズン終了間際の3日に1軍へ招集された。そして首脳陣の期待に応えた。前田智の引退試合となった3日の中日戦(マツダ)では、いきなり「7番・左翼」でスタメン出場。左腕の小川に対し、プロ初打席で中前打を放った。

 続く今季最終戦となった6日のヤクルト戦(マツダ)でも、“左キラー”ぶりを発揮した。六回2死一、三塁で、村中から中前へプロ初適時打。この一打で、野村監督は「いい感じで行けると思う」とCSメンバー入りへ“合格”を出した。

 自分に託された仕事は理解している。下水流は「左だけですよ。左投手をいかに打てるかだけを考えています」ときっぱり言い切った。右左関係なく出場したい思いはあるはずだが、CSですべき役割は何か。それは対左投手の戦力になること。「右よりも左の方が打ちやすい。2軍でも相手が左投手の時に、よく打席に立っていたし」と自信を見せた。

 代打での出場とは限らない。能見の先発が予想される第2戦でスタメン出場の可能性は十分にある。能見とは2月17日に行われたWBC日本代表との強化試合(サンマリン宮崎)で対戦し、打席で投球は見たが、2死一塁で走者の丸がけん制死になったため、打つことはできなかった。「投球はあまり覚えていない」と苦笑いを浮かべながらも「ビデオを見て準備をしたい」と意気込んだ。

 高校時代は横浜の4番として3年春に全国制覇を果たした。その思い出の甲子園に、今度はCSファイナルS進出を懸けた大一番に臨む下水流。「阪神ファンだらけの中でやるんですよね」。その目は敵地で活躍する姿を思い描いている。

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