競合ドラ1候補の創価大・立石 運命の日「静かに待ちます」 広島1位指名公表「うれしかった」 充実のリーグ戦快打締め
「東京新大学野球、共栄大5-2創価大」(19日、飯能市民球場)
広島が23日のドラフト会議での1位指名を公表している創価大・立石正広内野手(21)が20日、リーグ最終戦の勝利に貢献した。東京新大学野球秋季リーグの共栄大戦に「3番・二塁」で先発出場。ドラフト前最後の公式戦で、逆転の起点となる安打を放った。金の卵は広島の1位指名公表に喜びを語り、自然体で運命の瞬間を迎えると語った。
注目を浴び続ける日々の中、立石は充実した表情を浮かべた。優勝を逃すも、ドラフト前最後の一戦でチームは勝利。リーグ2位で明治神宮大会出場をかけた関東地区代表決定戦に駒を進めた。「出し切れたと思います。去年(神宮大会準優勝)の借りを返すためにも、まだまだ終われない。4年生たちと長く(試合が)できるのでうれしいです」と汗を拭った。
この日は「3番・二塁」で先発出場。見せ場は1点ビハインドの四回に訪れた。1死から鋭いライナーで右前打を放つと、そこから打線がつながり逆転。流れを引き寄せた快音に「昨日から逆方向にいい当たりが行っていた。変化球を気にしながらの打席ではあったんですけど、いい打球で捉えられて良かったなと思います」と納得顔だ。
ネット裏で見つめたオリックス・佐野スカウトは「打席、打席で修正できている。打球スピードとか音とかを見ると、大学ナンバーワンだなと思う」と改めて高評価を口にした。
今年の最注目選手として迎える23日のドラフト会議。現時点では広島が12球団最速かつ唯一、1位指名を公表している。立石は「うれしかったです。ずっと不安はありましたし、正直ドラフト会議で何があるか分からない。公言されたから本当に指名されるかは分からないですけど、少し安心した部分はありました」とカープの熱意をポジティブに受け止めた。
広島が1位指名を公表したのは13日のスカウト会議後。二塁と三塁を主戦場とする右の強打者はチームの補強ポイントに合致。2年春に打撃3冠に輝き、今春は5本塁打、16打点で2冠を獲得。大学球界屈指のスラッガーと赤い糸で結ばれることになれば、慢性的な貧打解消と2年連続Bクラスからの逆襲が現実味を帯びてくる。
立石自身、今季は右足首の靱帯損傷や背中の張りで欠場もあった。そんな中、順調な回復ぶりを実戦で披露してきた。注がれる視線が多くなり、周囲の期待も増幅。「評価によっては『もっと打ったろう』と思っていました」と振り返るも、今は平常心を貫く。「今日とりあえず終わったので静かに待ちます」。泰然の構えで節目の日を迎える。
◆立石正広(たていし・まさひろ)2003年11月1日生まれ、21歳。山口県防府市出身。右投げ右打ち。180センチ、85キロ。内野手。7歳から華浦スポーツ少年団野球部で野球を始め、高川学園中では高川学園シニアに所属。高川学園高では3年夏の甲子園でバックスクリーン弾。創価大では1年春からベンチ入りし、2年春に三冠王。今春は最多本塁打と最多打点でMVP。3、4年時に大学日本代表に選出。50メートル走6秒1。





