2回戦出場辞退の広陵 堀正和校長は広島高野連の副会長も辞任 繰り返し謝罪も「新しい事実が発覚した訳ではございません」

 広陵(広島)は10日、堀正和校長が甲子園球場の大会本部を訪問し、第107回全国高校野球選手権大会の第9日・津田学園(三重)との2回戦の出場を辞退すると発表した。

 広陵・堀校長が会見し、「各方面の皆様に多大なご迷惑ご心配おかけしましたことを深くおわび申し上げます」と謝罪。広島県高野連の副会長も辞任すると発表した。SNSなどでは、暴力事案で厳重注意の判断に疑問の声もあった。

 広陵は大会直前、1月に発生した暴力事案がSNSで話題に。メディアでも報じられ、出場を巡り批判的な声も起こる中、7日の1回戦で旭川志峯(北北海道)に3-1で勝利していた。

 堀校長は繰り返し謝罪したうえで、新たな事実の発覚は否定。「細かく調査したが、出てこなかった。現在は第三者委員会が調査中だが、結果が出るまでは出場辞退しなくていいと言い続けていた」とし、「事実に基づかない投稿、生徒に関係ない投稿がある」とも語った。

 過去の甲子園大会では2005年夏の第87回大会で、明徳義塾(高知)が部員の不祥事で出場を辞退した例がある。開幕後では21年大会で東北学院(宮城)、宮崎商が選手の新型コロナウイルス陽性が判明して辞退した例があるが、不祥事では初めて。

▽広陵を巡る騒動の流れは以下。

1月22日…暴力事案が発生。

8月5日…SNSの情報をもとにメディアが報じたことで、学校側は当時の状況を当時1年生だった部員が部内で複数の上級生から暴行を受けたことを認めた上で、当時聞き取り調査を行い学校側の規則に則った指導を実施したと説明。高野連に報告し、今年3月に高野連から厳重注意を受けていたと公表した。当該部員は転校し、その後、全国高校野球選手権広島大会が行われていた7月に被害届が提出されたことも明らかとなった。

8月6日…広陵が調査結果を含めた詳細な経過を公表。高野連も出場判断に変更なしと発表。

8月7日…旭川志峯戦に3-1で勝利。

8月7日…旭川志峯戦の試合後、高野連と大会本部は別件で被害を訴えている元部員から情報提供があったと発表。広島県高野連を通じて広陵に確認が行われ、訴えのあった内容について「確認できなかった」と回答があったと説明。「第三者委員会を設置し、現在調査中」との報告もあった。

8月8日…広陵が新たに話題となった事案について説明。2023年に野球部の元部員が監督とコーチ、一部の部員から暴力や暴言を受けたとする情報などについて、調査の結果「指摘された事項は確認できませんでした」とした。その上で第三者委員会を設置し、調査中とも説明。

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