巨人・長野3点打で連勝導く 阿部監督も絶賛「あれで勝てたと思う」 阪神まであと0・5ゲーム差

 1回、坂本は先制の犠飛を放つ
 8回、長野は右中間に走者一掃の三塁打を放ち、塁上で両手を上げる(撮影・佐藤厚)
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 「中日1-4巨人」(8日、バンテリンドーム)

 チームの窮地にはベテランがいる。全速力で三塁まで駆けた巨人・長野が、ベンチに向かってニコッと笑う。阿部監督も「あれで勝てたと思う」と絶賛した3点打。39歳が結果と存在感で導いた連勝で、首位を走る阪神に0・5差まで接近した。若手とベテランの融合。勢いに乗る価値ある1勝だ。

 ハイライトは八回だ。リードは1点。中川、大勢を欠く中で追加点が欲しい。2死満塁。5試合ぶりに6番に入った長野に打席が巡った。2-2からの6球目、高めの直球にコンタクトした打球が、右中間を抜けた。「みんながつないでくれたので」。仲間思いの最年長はお膳立てに感謝する。

 勝利に沸く試合後は「初ヒット」にスポットを当てた。九回、代打で出場したドラフト4位・泉口(NTT西日本)がプロ初安打を記録。「僕の安打より泉口の安打の方がうれしい」と話し、15打席目で生まれた一打を「苦労して初安打を打ったのは、一生の思い出になる。みんな、めっちゃうれしい」と喜んだ。

 試合前、大城が出場選手登録を抹消された。今季から選手会長に就任し、攻守の要として期待された男の離脱。指揮官は「メインは気分転換。もう一度、野球が楽しいと、原点に戻ってきてくれ」と、無期限降格にリフレッシュの意味を込めたが、戦力ダウンとチーム内の動揺は計り知れない。そんな中、迎えた一戦をベテランが救った。

 初回、「最低限だった」と坂本の犠飛で先制し、終盤に勝利を決定付ける長野の3点打。阿部監督は「困った時のベテラン」とかみしめるように言葉にした。就任時から絶大な信頼を寄せる“サカチョー”が導いた1勝。長野が言う。「またしっかりと監督の期待に応えられるように」。不動の2人がチームを支える。

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