健大高崎・青柳監督 涙の就任22年目初戴冠 前身女子校、02年に野球部創部「甲子園で勝てるチームになるとは」

 「選抜高校野球・決勝、高崎健康福祉大高崎3-2報徳学園」(31日、甲子園球場)

 決勝が行われ、高崎健康福祉大高崎が3-2で報徳学園を下し、春夏通じて初優勝を果たした。2年生右腕の石垣元気投手が8回2失点と好投。同学年左腕の佐藤龍月(りゅうが)投手が九回を締めた。全試合で3年生投手が登板せずに優勝したのは2004年の済美以来20年ぶり。群馬県勢初の春制覇ともなった。

 22年分の思いが一気にあふれ出た。「監督を引き受けたときにまさか甲子園で勝てるチームになるとは思わなかった」。浮かんでくるOB、学校関係者の顔-。青柳博文監督(51)は、就任22年目にして初めてつかんだ戴冠に涙を流した。

 前身の女子校から01年に共学化され、愛好会が発足。野球部は02年に創部し、同時に青柳監督が就任した。ただ、「3年ぐらいはボイコットされたこともあった」と楽な道のりではなかった。

 監督自身も「最初の10年間はやめたいという気持ちがあった」と吐露。しかし、「信じてくれた学校関係者、OBの選手たちの頑張り。下手でも一生懸命やる子どもたちを裏切れない」と、何度転んでも立ち上がった。

 大学卒業後に会社に勤めていた経験を生かして組織作りに注力。部長が投手陣、コーチがスカウトなど役割を分けており「持ち場で責任を持ってやる」ことで隙のない組織が生まれ、いつしか強豪校と呼ばれるようになった。

 今大会5度目の校歌を目をつむってかみしめながら歌った指揮官。「言葉では表せないほどうれしいというか、夢のよう」。諦めなければ夢は叶(かな)う。監督自身の姿で選手に示した。

 ◇青柳博文(あおやぎ・ひろふみ)1972年6月1日生まれ。51歳。群馬県出身。前橋商時代は一塁手でプレーし、90年春に甲子園出場。東北福祉大では94年明治神宮大会に出場した。大学卒業後は一般企業に就職し、軟式野球や硬式のクラブチームでプレー。02年に高崎健康福祉大高崎の野球部創部とともに監督に就任した。

 ◇高崎健康福祉大高崎 1968年創立の私立校。野球部は2002年創部。11年夏に甲子園大会初出場。12年春にベスト4。巨人・湯浅大、阪神・長坂拳弥らプロ選手を輩出。陸上部やソフトボール部などが全国レベル。

 ◆阪神・長坂捕手「おめでとうございます。本当にすごいなと素直にそう思います。うれしいです。ほとんど試合は見れてないですけど、すごいなと思います」

 ◆巨人・湯浅内野手「初優勝おめでとうございます。健大の後輩たちはもちろん、報徳学園の選手たちとの奮闘を見てすごく興奮しましたし、僕もやってやろうという気持ちがより一層強くなりました。夏もいい結果となるようにまた頑張ってください。僕も頑張ります」

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