中央学院・中村 天国の祖父に届けた甲子園での雄姿「夏はもっと良い経験ができるように」

 「選抜高校野球・準決勝、報徳学園4-2中央学院」(30日、甲子園球場)

 泥だらけのユニホームが懸けた思いを物語っている。頬にまでついた聖地の土をぬぐいながら、中央学院(千葉)の中村研心内野手(3年)は唇をかみしめた。

 「自分が打てばもう少し展開が変わったかもしれない。情けないです」

 約束の舞台だった。祖父・正行さんは、研心も所属した千葉東シニアの元監督。父・安孝さん(50)は社会人野球でプレーした後、淑徳大の監督を務めており、物心ついた時から野球がそばにあった。研心が小学4年の時、正行さんがガンのため他界。「おじいちゃんから『甲子園に連れて行って』と言われていました」。出場が決まった際には線香を上げ、「見ていて」と報告した。

 「初勝利を目指していたチーム」の快進撃を主将としてけん引。秋季千葉県大会予選の代表決定戦で敗戦し、副主将の颯佐と涙を流しながら仲間に訴えかけた。「みんなで勝ちたかった。変えていこうと」。敗者復活戦から勝ち上がり、甲子園4強まではい上がった。

 4番の重圧を背負い、悔しさで幕を閉じた春。天国に誓った。「夢のような舞台。夏はもっと良い経験ができるように」。おじいちゃん、見ていて-。

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