戦争と能登半島地震に見舞われた青春 「ミサイルが来て本当に怖かった」日本航空石川のウクライナ人留学生が甲子園に声を響かせる

 「選抜高校野球・1回戦、常総学院1-0日本航空石川」(25日、甲子園球場)

 パイロット風の制服に身を包み、アルプススタンドから大声を出すウクライナからの留学生がいた。日本航空石川のダンス部副部長のハバロフ・ゲラさん(3年)。吹奏楽部の演奏に合わせ、ゴルフ部などから参加した有志の生徒らとともにグラウンドのナインへエールを送った。

 ウクライナで戦争が起きたことがきっかけで避難民として日本航空石川に留学。両親はポーランドに避難しており、一人で異国地での生活を送る。

 母国で目の当たりにした衝撃の光景は今も脳裏に焼き付いて離れない。「戦争が起きたときはバーン、バーンとミサイルが来て本当に怖かった」。当時は15歳。家族と一緒にいた中、「音がうるさくて6歳の妹は泣いてしまって」と母国に起きている悲劇を振り返った。

 以前から日本の文化に魅了されていたゲラさん。「自分は本当に頑張りたくて、日本人の友達ができますようにと。自分が納得できるようにしたかった」。2022年6月に来日し、言語の違いなどにもとまどったが一日10時間を超える勉強で流ちょうな日本語を身につけた。

 元日には学校が能登半島地震で被災。普段生活している寮にも被害は及び、山梨のキャンパスに拠点を移動。地震発生時は東京の友人宅にいたものの、再び生活拠点を奪われた。それでも、聖地での応援に向けて「声が出なくなるまで応援します」と応援団の先頭に立ってアルプスで躍動した。

 戦争と地震に見舞われた青春。家族と離れた生活に「今でもさみしい」と率直な心境を口にした。将来の夢は通訳の仕事に就くこと。「日本が好き。通訳者になって頑張りたい」と未来を見据えた。

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