「オープン戦、日本ハム３－３ＤｅＮＡ」（２４日、タピックスタジアム名護）

　開幕マスク奪取への号砲だ。ＤｅＮＡの高卒２年目捕手で昨年のドラフト１位・松尾汐恩捕手が七回、オープン戦第１号となる左越えソロ。「初球から、甘い球が来たら行ったろと思っていた」。代わり端の福田俊が投じた１４２キロの真ん中低めの直球を迷わず運んだ。

　思い切りの良さだけではない。右翼から左翼方向に吹く強風も頭に入れ、「低めを狙った」と対応力も兼ね備えた一発だった。対外試合では１２打数７安打、打率・５８３と絶好調。「特に何かを変えたわけではないけど、投手の球を見ているうちに、いけるという感じになった」と実戦で勘を研ぎ澄ませている。リードも冴え、４番手で登板した中川颯を２安打無失点の好投に導いた。

　開幕１軍の捕手は山本祐はじめ戸柱、伊藤らのベテラン陣が控えるが、「去年はなかなか先輩たちに追い付くことができなかったけど、しっかり開幕に向けてコンディションを整えたい」と割って入るつもりだ。

　三浦監督も頼もしい２０歳に「オープン戦でいきなり結果を出す。いいもの持ってます」と絶賛。捕手陣の起用法に「キャッチャーいなくて困るというのでなく、みんながいい状態」とうれしい悩みを口にした。