山本由伸、山崎福也が抜けても盤石?ドラフト戦略に見える揺るぎないオリックスの独自路線

 パ・リーグ3連覇を成し遂げたオリックスは山本由伸、山崎福也両投手がFA宣言。来季の戦力ダウンは必至の情勢だ。今ドラフトは上位指名が育成主眼の高校生。FA流出が想定された状況での独自戦略に、デイリースポーツウェブ評論家の野田浩司氏は「2人が抜けても何とかなると思っているはず」と推測する。

◇ ◇ ◇ ◇

 オリックスの1位指名には驚いた。山本由伸が抜けるのは想定していただろうし、山崎福也もその可能性があった。場合によっては2人抜けるという状況で敢えて高校生、しかも野手を指名しましたからね。

 今年は即戦力投手が大豊作だったからなおさら。欲しい選手を一本釣りしたかったのだろうけど、4位までが高校生というのも目を引いた。

 (10月26日に行われたドラフト会議でオリックスは1位から4位まで高校生を指名した。ちなみに上位から①上田西・横山聖哉内野手②聖カタリナ学園・河内康介投手③享栄・東松快征投手④報徳学園・堀柊那捕手)

 中嶋監督の采配、特にローテーションは読むのが難しいが、このドラフト戦略もまったく読めなかった。

 今季は山本が16勝6敗で10の貯金。山崎福が11勝5敗で6つの貯金。2人合わせて16の貯金が消えるのだから痛いですよ。それでも敢えて即戦力投手を上位で指名しなかったのは、ある程度の目算が立っているからでしょう。

 例えば開幕投手を務め、終盤は腰痛で離脱した山下の一年を通した活躍。

 今年は後半から加わった東のシーズン当初からのローテ入り。

 昨年、トミー・ジョン手術を受けた椋木の戦列復帰。

 新人で1勝を挙げた曽谷や、シーズン最終盤に先発して好投した高卒新人斎藤響介の成長。

 ほかにもファームですくすくと育っている選手がいるかもしれない。

 外国人の先発投手としては見直しの補強があると思う。シーズン途中でリリーフに回った山岡の起用法も再考されるかもしれない。

 これらをトータルで考え、それを143試合の長丁場に当てはめて、仕事の割り振りを決めていくのが中嶋監督ですからね。全体の底上げを中心にして“補強”していくのではないか。山本の代わりを選手1人に求めるのは無理ですからね。

 ただ、即戦力投手として下位で3人指名している。この戦略もオリックスならではという気がする。

 (5位以下は社会人を指名⑤王子・高島泰都投手⑥日本通運・古田島成龍投手⑦TDK・権田琉成投手)

 最近では阿部(20年度6位)や小木田(21年度7位)が社会人出身の下位指名投手として活躍しているという土壌がオリックスにはある。

 2年前までNTT西日本で指導してきた経験から言うと、2000年代の前半に比べて最近は、社会人全体のレベルが上がってきているように感じる。

 金属バットから木製バットに変更された当初、打者への期待はそれほど高くなかったけど今は違う。よく打つようになった。それと平行して投手のレベルも上がってきているのを実感する。下位指名でも期待できる理由はそこにある。

 山本が抜けるのは確実。山崎福はどうだろうか。いずれにしろ4連覇するには投手陣全体の底上げが必要。オリックスはそれが可能なチームだと思いますよ。

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