交流戦初V DeNA・三浦監督の教え「受け身になるな」でエース粉砕

 「ヤクルト13-0楽天」(20日、神宮球場)

 「日本生命セ・パ交流戦」は全日程を終えていたDeNAの初優勝が決まり、賞金3000万円を獲得した。優勝の可能性を残していた楽天がヤクルトに敗れ、11勝7敗で4チームが並んだが、得失点率差(1イニング当たりの得点率と失点率の差)で制した。勝つか引き分けで優勝が決まった19日の日本ハム戦(横浜)の惜敗から一夜明け、つかんだ初の頂点。デイリースポーツ・DeNA担当の松井美里記者が、優勝の要因に迫った。

  ◇  ◇

 大一番に敗れ、悔しさから一夜明けると吉報が届いた。敗戦を癒やすかのような交流戦初優勝。三浦監督が最後まで選手を信じ、全員で積み重ねてきた18試合の結集が最高の“答え”まで導いた。

 最終盤まで厳しい戦いが続いた中、チームの全員野球を支えた三浦監督の教えがある。「受け身になるな」。パ・リーグを代表する好投手を粉砕した打線、攻め抜いて支えた投手陣。総合力で手にした初栄冠だ。

 難敵からの幕開けだった。5月30日の楽天戦(楽天モ)。則本に対しては過去5戦4敗。それでも指揮官は常に「過去は過去」と前向きな言葉を探し、ついに連敗という悪夢をストップ。白星発進で勢いづくと、3日の西武戦(横浜)は試合前までの防御率が1・69の高橋、9日のオリックス戦(京セラ)は無敗の山下を次々に撃破。さらに11日の同戦では、試合前まで被本塁打がなかった宮城から3アーチを描いた。

 18日のロッテ戦(横浜)では佐々木朗に対して粘って、粘って攻略。「いい投手は待っていても(勝機が)開けない。後手後手に回らないように」と早いカウントから仕掛けていった。ただ、これは「凡打になれば球数も少ない」と周囲の雑音も呼ぶ戦い方でもある。最後まで選手を信じ、首脳陣がぶれなかった。

 三浦監督はエース級を撃破してきた要因として、あえて投手力を挙げた。「投手が先に点を与えないとか、大量失点をしないように我慢強くいっているからこそ、相手にもプレッシャーがかかる」。交流戦を迎える前のチーム防御率は3・59だったが、交流戦期間中は同2・93と良化。投手陣の踏ん張りが活発な攻撃を引き出した。

 19日の日本ハム戦では8回・伊勢、守護神・山崎がそろって失点したが、エスコバーや森原が火消しに成功。「勢いも自信もつけてきた。でもまだこれが完成なわけではない」と指揮官は言う。「横浜頂戦」への旅路。平たんな道ではないからこそ、さらなる進化をナイン全員で遂げていきたい。

 ◆交流戦順位決定方式 ▽勝率第1位球団を「交流戦優勝球団」とし、勝率によって2位以下の順位を決定する。勝率が並んだ場合は以下の成績で決定する。

 【2球団が並んだ場合】①勝数②直接対戦成績③交流戦のTQB※(得点/攻撃イニング)-(失点/守備イニング)が大きいチーム④交流戦のER-TQB※(相手自責点による得点/攻撃イニング)-(自責点/守備イニング)が大きいチーム⑤交流戦のチーム打率⑥22年度日本生命セ・パ交流戦の上位チーム。

 ◆交流戦初のTQB優勝 2005年から開催された交流戦で最終的にTQB(得失点率差)でV球団が決まった例は史上初。また過去に勝率1位で複数球団が並ぶのは2008、17年の2度。08年はソフトバンクと阪神で、この年の規定は前年順位の上位球団が上位でソフトバンクがV。17年はソフトバンクと広島が並び、直接対決で勝ち越したソフトバンクが優勝となった

野球スコア速報

関連ニュース

編集者のオススメ記事

野球最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    デイリーおすすめアイテム

    リアルタイムランキング

    注目トピックス