佐藤義則氏が教え子の楽天・田中と9年ぶりに再会 助言を送り「まだまだやれる」と激励

 デイリースポーツ評論家の佐藤義則氏(68)が、かつて投手コーチを2度務めた楽天の金武キャンプを訪問し、教え子である田中将大投手(34)と約9年ぶりの再会を果たした。サブグランドで調整中だった右腕と談笑し、ブルペンでは投球練習も見守った。

 日本球界復帰後、なかなか勝ち星が伸びない田中に、佐藤氏は「昔と比べて少しフォームがこぢんまりしてきている。もう少し大きく腕を振った方がいいんじゃないか」と助言。そのための足の使い方をアドバイスしたという。配球面でも変化球の割合が増えていることを指摘し、「もっと直球にこだわった方が良いのでは」と考えを伝えた。

 田中が入団3年目の09年に楽天の投手コーチに就任した佐藤氏。当時の野村克也監督からは「田中を一人前にしてほしい」と言われた。早速、投球フォームの修正に着手。踏み出した左足が着地する際の膝の開きを直すと、低めに強い球が投げられるようになった。

 その年、田中は前年の9勝から上積みし、15勝(6敗)をマーク。11年には19勝(5敗)。13年には24勝0敗という圧倒的な投球で球団初の日本一に導いた。佐藤氏の指導を受けた5年間で通算79勝21敗の成績を残し、14年からメジャーに戦いの場を移した。

 21年12月に行われた野村氏をしのぶ会で顔を合わせたが、周りに人がいたため、ほとんど会話はできなかった。じっくりと話をしたのは渡米直前の13年オフ以来という。

 佐藤氏は「元気そうでよかった」と再会を喜びつつ、今季、開幕投手を務めることになった愛弟子に「まだまだやれる。もっと勝てるよ」と激励。40歳でノーヒットノーランを達成し、44歳まで現役だった佐藤氏だからこそ言える言葉だ。「登板日はテレビでチェックしているから頑張れ」とエールを送った。

 また、この日は岸、則本、松井裕、辛島、藤平ら、かつての教え子たちも次々と佐藤氏の元へあいさつに訪れた。「誰ひとり褒めなかったよ。『俺の教えたこと、全然やってないな』って、ずっとみんなを説教してた」と言いながらも目尻は下がりっぱなしだった。

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