「ヤクルト１－０ＤｅＮＡ」（２５日、神宮球場）

　今日も頑張るよ。ヤクルトの中村悠平捕手（３２）は今季、約束の曲を背負って打席に向かっていた。「子供たちが本当に好きな曲。流してほしいってリクエストがあった」。第一打席に採用したＹＯＡＳＯＢＩの「ツバメ」。家族が原動力だ。

　日本一の正捕手となった昨年。さらなる飛躍を誓い、「もう一度自分にプレッシャーをかけて勝負したい」。今季からは夢だった背番号「２７」を背負う。古田敦也氏以来、準永久欠番だった伝統ある番号。腹をくくった。

　だがケガに泣き、開幕は２軍。３月２９日、本拠地開幕の巨人戦をスタンドから見つめた。ようやく５月３日に１軍復帰。チームは自然と連勝街道に乗った。家には小学１年生の長男・鈴太郎くんが育てる植物がある。名前は「やまだ」。「ゆうへい、は今後も育ててもらえない」と笑いながら、言葉を続けた。

　「『や』を書く宿題があってね。最後に『や』から思いつく言葉を書こうって欄に、『やまだてつと』って書いてました」。いつだってパパと、パパの仲間は応援されている。〝やまだ〟はつぼみをつけ、いま花開いている。