「全国高校野球選手権・２回戦、高松商１４－４佐久長聖」（１１日、甲子園球場）

　高松商が注目のスラッガー浅野翔吾外野手（３年）の２打席連続本塁打など、中盤から着実に得点を重ね、１６安打１４得点で２回戦を突破した。一段とスケールアップして甲子園に帰ってきた。浅野は右へ、左へ２打席連続本塁打を含む３本の長打を放ち、４打点と躍動した。

　浅野は「（１本目は）安心しました。ヒットが出てなかったので、ヒットが出たらいいなと思って、真っすぐを狙っていた。こすっていたのでライトフライかなと思っていたので、意外と飛んでくれてよかったです。（２本目は）完璧でした」と、充実の表情で振り返った。先発全員安打での快勝に「秋春に比べたら、後ろの選手が力をつけてくれて、後ろに回したら絶対に返してくれるという信頼がある」と、うなずいた。

　そのパワーに戦慄すら覚えたのは対戦相手。２被弾となった佐久長聖・先発の広田は「甘く入った部分はあるが、２本ともあのコースをあの深さまで持っていくかという感じ」と、完敗を認めた。捕手の寺川は「甘い球を一球でしとめるところがすごい。力負けでした」、左翼を守った藤沢は２本目の本塁打に「打った瞬間、ものすごい打球が頭の上を越えていった」と、振り返った。

　藤原監督は「１本目、そして２本目の本塁打で選手の心が折れてしまった」と、脱帽。覚醒を予感させるスラッガーが、夏をさらに熱くする。