プロ注目の呉港・田中 足で勝利呼んだ「自信があるのは守備と走塁」広島入りの秋山に憧れ

 「高校野球広島大会・2回戦、呉港4-2安西」(15日、鶴岡一人記念球場)

 2回戦が行われ、呉港が安西に終盤、逆転勝ち。プロ注目の打者、田中多聞外野手(3年)は無安打ながら主将として味方を鼓舞、走塁、守備で勝利に貢献した。県春季大会準優勝の崇徳は山陽に10-2で七回コールド勝ち。広島商は迫田守昭監督(76)率いる福山を11-1の六回コールドで退けた。

 高校通算48本塁打を誇るスラッガーも、主将も務める責任感ゆえに力が入り過ぎ「バットが出てこなかった」と頭をかいた。呉港の4番・田中は2打数無安打、3四死球。それでも声で、足で勝利を呼び込んだ。

 初回2死三塁の先制機では右肩をかすめた投球が顔に当たる死球。「目まいがしました」と苦笑した。その後、田中も、他のナインも安西・北永の投球を捉えきれず七回を終え0-1と劣勢に立たされた。

 敗戦も頭をよぎったという田中は主将として七回終了後、「あと2回。諦めずやろう」とナインを鼓舞した。そして直後の八回、1死から四球で出塁するとその後自ら同点ホームを踏んだ。

 その裏、再び突き放されたがスクイズなどでついに逆転。さらに田中は三走として重盗で貴重な追加点をもたらした。

 広島入りした秋山翔吾に憧れると言い、通算50本塁打も近いが「自信があるのは守備と走塁。結果的に、ホームランが出れば」とオールラウンダーを自負する。

 スタンドには10球団のプロスカウトが注視。阪神・山本スカウトは「中国地方の左打者ではナンバーワン」とこの日の結果にかかわらず高評価を口にする。

 まずは甲子園。「古豪と言われると悔しい」と、昔ではなく今、県下最強となるべく、次戦を見据えた。(西下 純)

 ◆田中 多聞(たなか・たもん)2004年10月24日生まれ、17歳。大阪府八尾市出身。183センチ、84キロ。左投げ左打ち。外野手。近畿大付属小で藤の里アトムズ、大体大浪商中では同校シニアに所属。呉港に進学し1年からベンチ入り。投手としてもMAX145キロ。50メートル走は6秒0。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

野球最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    デイリーおすすめアイテム

    リアルタイムランキング

    注目トピックス