ヤクルト 村上V3ランで今季最多貯金25 止まらん6月12発 30日にもM点灯
「広島3-6ヤクルト」(28日、マツダスタジアム)
笑顔でダイヤモンドを一周したヤクルト・村上宗隆内野手は、その姿を見つけると表情に喜びがより一層満ちた。最後尾にいた小川の肩を何度もたたく。「今日はライさん(小川)に勝ちがついたんで。そこはすごく僕の中でうれしいことです」。逆転27号3ランで試合を決め、最後まで仲間を思った。
3点を追う六回だ。1死一、二塁から、まずは山田が適時打を放ち、試合を動かした。続く4番へ。球場に明暗が分かれるまで、時間はかからなかった。
「チャンスだったので、初球から積極的に打ちにいこう」
有言実行の一振りだった。初球、高めの直球を振り抜くと、瞬く間に打球は左中間席へ。今月驚異の12本目のアーチは勝利をもたらす一発となった。これで勝ち試合では4試合連続で決勝点をたたき出した。勝負どころでの一発&一打で首位独走チームを支えている。
チーム一丸でここまで白星を積み上げてきた。この日先発マウンドで苦しんでいた小川に、村上は何度も声をかけ続けた。小川は常に背中を押してくれる後輩に、以前から感謝の思いを紡いでいた。「いつも助けてくれますし、マウンド上でも前向きな言葉をかけてくれますね」。仲間と目指す連覇へ。村上の思いはまた強くなる。
覚醒モードに入った主砲はもう、誰も止めることができない。27本塁打、74打点はリーグ二冠を独走中だ。「先発投手に勝ちをつけてあげられるように頑張りたい」。これで貯金は今季最多の「25」。最短でのマジック点灯は30日になった。絶好調の主砲と共に-。チームはまた走りだす。
◆優勝マジックは最短30日 28日終了時点で自力Vの可能性を残すのはヤクルトのほかDeNAと広島。29、30日にヤクルトが広島に連勝か1勝1分け、DeNAが阪神に2敗することが条件でマジックがともる。