オリックス・山本由伸“準パーフェク投”でノーノー達成 「今永師匠」に続いた今季4人目

 ノーヒットノーランを達成し平野(右)らナインに水をかけられ祝福される山本(中央)=撮影・園田高夫
 力投する山本(撮影・園田高夫)
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 「西武0-2オリックス」(18日、ベルーナドーム)

 オリックス・山本由伸投手(23)が西武11回戦で史上86人目、通算97度目のノーヒットノーランを達成した。打者28人に対して1四球を与えただけで、球数も102球に抑えた。4月にはロッテ・佐々木朗が完全試合を達成し、5月にソフトバンク・東浜、7日にDeNA・今永がノーヒットノーランを達成していた中、今季4人目の快挙達成は1943年以来、79年ぶりとなった。

 28人目の打者を一ゴロに打ち取ると、1万6075人がどよめいた。山本は自らのグラブにウイニングボールを収め、ナインから歓喜の水を浴びる。「気持ち良かったですね」。両軍ファンからの温かい拍手に応えながら、今年一番の笑顔を咲かせた。

 圧巻だった。序盤は直球を中心に14者連続斬り。五回2死から「すごく悔しさがありました」と外崎に四球こそ出したが、この日の“ミス”はそれだけだった。

 「九回もドキドキしてました」。ただ、緊張は全く感じさせない。それどころか、球威は増していた。九回1死では代打・森にこの日最速155キロの直球で見逃し三振。最後の川越も148キロのフォークで、危なげなく一ゴロに仕留めた。

 史上86人目のノーヒットノーランで球団では12年の西勇輝(現阪神)以来10年ぶり。今季はチームがロッテ・佐々木朗に完全試合を喫し、侍ジャパンで共にプレーするなど、親交の深いDeNA・今永も7日に達成したばかり。「いつか自分もできたら」と少なからず、意識はあった。

 今永とは宮城と3人でのグループラインがある。左腕が達成した夜には「おめでとうございます」と祝福した。野球の技術だけでなく「人間的にもすごい大好きな方」と、教わることが多い。「今永師匠」と慕う先輩に続くこともできた。

 若月と6試合ぶりのバッテリー。配球の軸になったのは「一番こだわりを持って練習した」真っすぐだった。最終回に最速を記録しても「今からもう1回投げても、投げられると思う。そういう練習を昔からやってきた」と胸を張った。

 連敗を6で止めたのは、やはりエースだった。リーグ単独トップの7勝目はチームの今季初完投・初完封。「流れを止められたり、流れに乗せたり、そういう選手になりたい」。山本由伸は前人未到の頂を目指していく。

 ◆球団10年ぶりノーノー 山本がノーヒットノーランを達成。球団では2012年・西勇輝以来、10年ぶりで阪急時代を含めれば9人目(10度目)の快挙となった。

 ◆1シーズン4度は79年ぶり 1シーズン4度のノーヒットノーランは1リーグ時代の1943年以来、79年ぶり。この年は天保義夫(阪急)、藤本英雄(巨人)、別所昭(南海)、石丸進一(名古屋)が達成。年間最多は40年の5度で亀田忠(イーグルス)、浅野勝三郎(阪急)、沢村栄治(巨人)、三輪八郎(タイガース)、石田光彦(阪急)。

 ◆山本由伸(やまもと・よしのぶ)1998年8月17日生まれ、23歳。岡山県出身。178センチ、80キロ。右投げ右打ち。投手。都城から2016年度ドラフト4位でオリックス入団。プロ1年目の17年8月20日・ロッテ戦(京セラドーム)で初登板初先発。21年は18勝を挙げてリーグ優勝に貢献し沢村賞。最優秀防御率2回(19、21年)、最高勝率1回(21年)、最多勝1回(21年)、最多奪三振2回(20~21年)。

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