近大工・石伊 2点V打 プロ注目“攻守の要”初回いきなりバットで魅せた

 「広島六大学野球、広経大7-0広工大」(2日、近大工学部グラウンド)

 広島六大学野球春季リーグ戦(デイリースポーツ後援)が2日、開幕した。連覇を狙う近大工はプロ注目の石伊雄太捕手(4年)の先制適時打などで広島大に4-2で勝利。広経大は八回コールドで広工大を7-0で下した。来年の閉校が決まった広国院大が部員不足で出場辞退となり、今春は5校で優勝を争う。

 攻守の要がいきなりバットで魅せた。近大工の4番・石伊が初回に先制の2点適時打。リーグ戦の開幕ゲームで快音を響かせ、試合の主導権を大きく引き寄せた。

 初回1死二、三塁の好機でフルカウントからの8球目を捉え、左前に2点適時打。「逆方向を狙っていたが、真っすぐを捉えられて良かった」。ただ、五回に死球で出塁したものの快音は初回のみ。4打数1安打で「捉え切れていない部分があった。打つべき球を打てていない」と収穫より反省点が多かった。

 花本輝雄監督(56)は「彼の活躍で(チームの)勝ち負けが決まってくる」と全幅の信頼を寄せる。本人は「タイトルを狙えるように」と今リーグでの個人目標を定めた。

 昨秋のリーグ戦ではMVPに輝き、プロからも注目される能力の持ち主。ベストナインは過去3度獲得しており、4度目の勲章にも期待が高まる。「一戦必勝でやっていきたい」と石伊。勝利に貢献しながら、己の存在感も高めていく。(向 亮祐)

 ◇石伊 雄太(いしい・ゆうた)2000年8月18日生まれ、21歳。三重県尾鷲市出身。178センチ、81キロ。右投げ右打ち、捕手。中学で伊勢ボーイズに所属。高校で野球を終えるつもりだったが、近大高専で系列校の親善試合を通じて近大工に誘われて入学。50メートル走6秒2、遠投115メートル。

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