元ロッテ・高浜卓也 異業種へ転身「その方が社会人として成長できる」 育成も経験した阪神ドラ1

 多くの選手が今季限りでユニホームを脱いだ。第2の人生のスタートに向け、次の進路が決定した選手もいれば、未定という選手もいる。それぞれの新しい人生に挑戦する男たちの思いを伝える「第2の人生へプレーボール」。パ・リーグ編は、2007年度ドラフト1位で阪神に入団し、11年にロッテに移籍した高浜卓也内野手(32)です。

 野球に携わりたい思いもあったが、自身を磨いていくため、別業界への転身の道を選んだ。高浜は埼玉県内売上高上位の自動車販売業者へと就職することを決断した。

 「野球の業界ならある程度分かるから楽な部分はあるけど、今まで経験したことのない社会で新しいことに挑戦したいと思いました。その方が社会人として成長できると思ったんです」

 11月上旬に戦力外通告を受け、2日後には金髪を黒髪に染め直し就活を開始した。そんな時「家族のためにファミリーカーに替えよう」と出向いた販売店で、就職の話が進んでいった。もともと車に興味があり「縁だと思いました」と即決した。

 阪神、ロッテで14年、ボロボロになるまでやりきり、悔いはない。19年に腰椎椎間板ヘルニアの手術を受け育成契約になるも、今季2軍で結果を残し支配下復帰。6月26日・日本ハム戦、弟・祐仁の前で放った中前打が1軍最後の安打となったが「試合のことより苦しいリハビリの時のことばかりを思い出す」という。

 阪神の07年度ドラフト組では最後の現役選手だった。森田一成さん、黒田祐輔さんとは今でも連絡を取り合う。一般企業務めの経験のある森田さんには「野球が一番かもしれないけど、別の世界も案外、楽しいよ」と背中を押された。不安もあるが、同期の励ましの言葉を支えにトップセールスマンとしての活路を開いていく。

 ◇高浜 卓也(たかはま・たくや)1989年7月6日生まれ、32歳。佐賀県出身。現役時代は右投げ左打ちの内野手。横浜から2007年度高校生ドラフト1位で阪神入団。11年3月に小林宏の人的補償でロッテに移籍。阪神時代は1軍出場なし。2016年は開幕戦でスタメン出場(2番・三塁)。NPB通算は212試合で打率.220、3本塁打、30打点。

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