20歳のオリックス・太田、お見事!日本S初先発で勝ち越し三塁打や!マルチや!

 「日本シリーズ・第5戦、ヤクルト5-6オリックス」(25日、東京ドーム)

 悔しさも、喜びも、そのバットに乗せて、大舞台で躍動を見せた。「8番・二塁」のスタメンで日本シリーズ初登場となったオリックス・太田が、崖っぷちのチームに活力を与えた。

 同点の七回1死二塁だ。ヤクルト3番手・石山が投じた外角スライダーを捉えた一打が、右中間を破った。一時は勝ち越しとなる適時三塁打。三塁に滑り込み、満面の笑みで三塁ベンチに向けて力強く拳を突き出した。

 「しっかり走者を返すこと、後ろにつなぐことを考えて打席に入った。打った感触もよかった」。スタメンを言い渡されたのは、この日の球場入り後。中嶋監督から伝えられた後に「緊張するなら、今のうちに緊張しておけ」と激励を受けた。

 だが日本シリーズ初出場も、強心臓の20歳は指揮官の心配をよそに「シーズンよりも割り切って、ワクワクしてできた」と言い切り五回に左前打でシリーズ初安打を記録した。

 その裏に秘めた思いもある。昨オフは父でチーム打撃投手の暁氏に“専属打撃投手”を務めてもらい、親子二人三脚での無休トレを敢行。プロ3年目で初の開幕スタメンを勝ち取った。だが、不振が続き5月に2軍降格。9月に再昇格後も納得のいくシーズンを送ることはできなかった。

 だからこそ「今までベンチ待機が多かったが、自分が与えられた立場でしっかりとベストを尽くせるように準備していこうと思っていた」と初スタメンにも怯(ひる)む気持ちはみじんもなかった。

 1年後輩の紅林の活躍にも「本当に成長しているし、僕もチームに貢献できるようにと思っている」と刺激を受ける。七回は、その紅林の左前打から太田につなげた得点だった。「やりやすい環境をチームで作ってくれている。僕らは思いきってやるだけ」。未来を担う力が、チームを神戸での第6戦へ導いた。

 ◆太田 椋(おおた・りょう)2001年2月14日生まれ、20歳。大阪府出身。181センチ、81キロ。右投げ右打ち。内野手。背番号31。今季推定年俸1050万円。天理から18年度ドラフト1位でオリックス入団。プロ1年目の19年9月14日・楽天戦(京セラドーム)で初出場初先発(8番・遊撃)。20年7月16日・ソフトバンク戦(京セラドーム)でプロ初安打が初本塁打。通算成績は79試合40安打6本塁打14打点、打率・183。父の暁は球団打撃投手。

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