オリックス・山本 V導いた 破竹15連勝!無敵投手7冠「自分の力以上の数字」

 オリックスが25年ぶり、13度目のリーグ優勝を果たした。27日、2位・ロッテが楽天に敗れ、確定した。25日に全日程を終えていたため、この日は中嶋聡監督(52)以下、ナイン、スタッフらが京セラドーム大阪に集結し、仙台の戦いを見届けた。前日、セ・リーグ優勝を決めたヤクルトと合わせ、両リーグが前年最下位からの下克上Vという史上初の快挙。オリックスは来月10日からのCSファイナルステージに向かい、日本シリーズ進出を狙う。

 エースとして25年ぶりの優勝へ導いた山本由伸投手(23)。初の開幕投手からシーズン最終戦とプロ5年目で初めてフルシーズンを投げきり、先発投手のタイトルを総なめにした。MVP選出は確実と言われる右腕の今季を振り返った。

 23歳の無敵のエースが25年ぶりの優勝へ導いた。

 優勝会見でも「自分の力以上の数字を残せました」と謙虚を貫いたエース。

 山本はプロ5年目にして15連勝を含む18勝5敗、防御率1・39、206奪三振、勝率・783という驚異の数字を残し、先発投手としてのタイトル総取り、MVPの受賞もほぼ確実にした。

 だが、順風満帆だったわけではない。5月28日の時点で3勝5敗と負けが先行していた。ボールは悪くないが、勝てない。投球フォームを見直した。能見兼任投手コーチらに助言も求めた。気づいたのは投げ終わったあとの姿勢だった。

 「一塁側に倒れ込んでいた。右足のかかと側に重心がいってた。足のちょうど真ん中に重心を置くように心掛けるとボールもいくし、投げた後に両足でフィニッシュを取れる」

 この時点でも64回2/3で60奪三振と奪三振数はリーグトップだったが、以降129回で146奪三振と大幅増。バランスの良いフィニッシュから中前に抜けていた打球も投ゴロで処理する場面も増えた。

 MAX157キロの剛速球をはじめ、150キロ近い球速のフォーク、カットボール、シュート。そして大きく割れるカーブ。制球力も含めてどれもが超がつく一級品。だが、ウエートトレーニングは一切やらない。昨年オフ、1枚の写真を見て思いを強くした。

 「昔の女の人が米俵を担いでいる写真。担げるの?って思うじゃないですか。コツを知っているから持って運べる。人間にはそれだけの力があるはずなんです。トレーニングしているわけではないのに、生きるためにこういうことができる。じゃあ筋肉じゃない。自分の体の重心の位置を明確にすることが大事。力で持ち上げているわけではなく、うまく乗せている。投げるのも一緒だと思う」

 やり投げ、ブリッジなど独特のトレーニング方法。当初は周囲からも疑問の声が噴出した。それでも信じて続けてきたからこそ今がある。球界に例を見ない異次元の投球。優勝という最高の結果に結実した。

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