「マイナス0・5ゲーム差」の一因に引き分けの多さ ヤクルトが首位浮上
セ・リーグは22日の試合で阪神が敗れ、ヤクルトが勝ったため、「-0・5ゲーム差」で、ヤクルトが首位に立った。
ゲーム差というのは、貯金(勝利-敗戦)をもとに、最短で下位チームが並ぶために、どれぐらいのゲーム数が必要かを表したもの。チーム間の貯金の差を2で割った数字がゲーム差になる。順位争いの目安には非常に有用だが、最終順位決定には勝率が用いられる。今回、貯金は阪神の方が1つ多いため「-0・5ゲーム差」となる。
マイナスのゲーム差が生まれる要因の一つに、引き分けの多さがある。プロ野球の勝率は、総試合数から引き分け数を引いた数を分母に、勝利数を分子に置いて計算する。引き分けが多いと分母が少なくなるため、その分、勝率は良くなる。例えば総試合が10試合だとした場合、3勝2敗5分けだと、勝率は6割。5勝5敗で勝率5割のチームを上回る。
極端な例を挙げると、11チームで1回戦総当たりのリーグ戦を行った時に、
(チームA)チームBだけに勝って残り全て引き分け
(チームB)チームAだけに負けて、残りを全勝
この2チームではチームAが勝率10割(1勝9分け)の貯金1、チームBは勝率9割(9勝1敗)の貯金8となり、貯金が少ないチームAがチームBを上回る。また、その他のチームはBに少なくとも1敗しているため、Aの優勝となる。これが“勝ちに等しい引き分け”と言われることが多い一因だ。
今季は九回で打ちきりのため、ヤクルトが15引き分け。阪神は5引き分けと少ないため、ゲーム差と勝率のねじれが生まれている。