侍・山田 満塁一掃V撃打「1球目から打つと決めていた」 宿敵韓国撃破で金に王手

 「東京五輪・野球・準決勝、日本5-2韓国」(4日、横浜スタジアム)

 悲願に王手!!決勝トーナメント準決勝が行われ、日本は韓国との激戦を制して決勝進出を決め、銀メダル以上を確定させた。六回に2点リードを追い付かれたが、八回2死満塁でヤクルトの山田哲人内野手(29)が走者一掃の決勝3点二塁打を放った。7日の決勝では、5日の敗者復活3回戦・米国-韓国の勝者と対戦。正式競技としては初の金メダルを目指す。

 仲間のつないだ奇跡の物語を、山田がつなげた。宿敵との激戦に終止符を打ち、金メダルへの挑戦権をつかんだ。「迷うことなく初球から振り抜くことができました」。韓国を破る決勝打を興奮気味に振り返った。

 “因縁のライバル”は手ごわかった。序盤は優位に進めたが、2点リードの六回に同点とされた。それでも同点で迎えた八回。2死一塁からつないで迎えた2死満塁。全員の願いを背負って、山田が打席へと向かった。

 「1球目から打つというのは、ネクストバッターズサークルから決めていました。速い真っすぐを仕留めるぞという気持ちでした」

 狙い通り初球を迎え入れた。直球を一閃(いっせん)。打球が左中間へ高々と舞い上がる。三塁側ベンチからナインが飛び出し、行方を注視。願いを乗せた打球はフェンス最上部を直撃した。「とにかくめちゃくちゃ緊張した」。一走・甲斐は本塁へヘッドスライディング。決勝の3点二塁打。山田は仲間へ向けて、何度も何度も拳を握った。19年プレミア12の決勝・韓国戦で逆転3ランを放った男が、またしても宿敵にトドメを刺した。

 五輪に限れば、初めてプロが参加してプロアマ混成で臨んだ00年シドニー五輪から、08年北京五輪まで韓国戦は4戦4敗だったが、“負の歴史”にも終止符を打った。銀メダル以上を確定させ、公開競技だった1984年ロサンゼルス五輪以来、37年ぶりの金メダルへ王手をかけた。

 今年7月に29歳になり、自覚と覚悟が芽生えた。今季からはチームの主将。「みんなを引っ張っていきたい」と、自身では小学4年生以来の大役に立候補。副将に推薦された履正社時代には、「できません」と断った重責を今では担う。

 初めての五輪。緊張で震えることもある。それでも食事会場横にある卓球やダーツを癒やしにし、卓球は「僕は中の上」とニヤリ。同じ重圧を背負う仲間と一丸となって、勝利だけを目指してきた。「金メダル獲得に貢献できるプレーを、決勝戦でもしたい」。みんなで笑うまで、あと1勝だ。

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