侍・山本 圧巻6回0封9K!わずか2安打ドミニカ斬り

 「東京五輪・野球・1次リーグ、日本4-3ドミニカ共和国」(28日、福島県営あづま球場)

 終わってみれば圧巻の投球だった。重要な初戦に先発したオリックス・山本が、6回2安打無失点。初回と三回に得点圏に走者を背負う苦しい立ち上がりだったが、9三振を奪い「勝利につながってすごく良かった」と安堵(あんど)の表情。開幕投手の重責を見事に果たした。

 日本中が注目するマウンドを託された22歳。「いつも通りに」-。そう心がけていた右腕だったが、表情はこわばっていた。「立ち上がりは緊張した。ちょっとばたついた」と初回に今季一つしか与えていなかった死球でピンチを拡大させた。それでも1死一、二塁で相手の4番を二ゴロ併殺打に仕留め、やっと白い歯がこぼれた。

 四回以降は重圧から解き放たれたように躍動し、五回2死から六回にかけて4者連続三振をマーク。貫禄漂う内容でリリーフに後を託した右腕だったが、五輪はやはり特別な大会だ。

 「野球に興味のない方も見てくれるのが五輪。そういう人に野球の面白さを分かってほしい。五輪を見て子どもたちが野球を始めることもあると思う」

 自身もオフに自主トレを別の場所で行った後、大阪市内の球団施設を訪れ、1人で黙々とマシン打撃をするのが日課というほどの野球狂。だからこそ、この東京五輪を契機として列島に再び“野球ブーム”を巻き起こすという強い決意を持って開幕の舞台に立った。

 そんな“純粋な心”を持った右腕が見せた快投。テレビ越しで見た日本中の人たちにも、その熱き思いは伝わったはずだ。

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