天理・達 161球完投!6安打1失点10K 自己最速タイ146キロ

 「選抜高校野球・1回戦、天理7-1宮崎商」(20日、甲子園球場)

 第2日は3試合が行われ、今秋ドラフト候補で、今大会最長身の193センチ右腕・天理(奈良)の達孝太投手(3年)が宮崎商(宮崎)を相手に9回6安打1失点、10奪三振の完投で昨夏からの成長を示した。初回には自己最速タイの146キロもマークするなど、161球の熱投で15年以来6年ぶりとなるセンバツ白星を導いた。

 『奈良のダルビッシュ』が背番号「1」をつけ、成長を遂げて甲子園に戻ってきた。初回から自己最速タイの146キロをマークするなど、渾身(こんしん)の「161球」を投げきった勝利。「途中は疲れもあったんですが、ランナーが出てからうまくギアを上げられた。いまはホッとしています」と胸をなで下ろした。

 1回無安打2三振で、最速143キロを記録した昨夏の交流試合以来、2度目の聖地。立ち上がりは宮崎商の見極めに苦しみ、二回までに50球を投じた。だが、三回以降は「真っすぐでカウントを取っていこう」と配球を変えて八回まで毎回三振を奪うなど修正。八回に1点を失ったものの、得点圏に走者を背負っても笑顔を見せながら後続を抑えるなど、確かな力を示した。

 中村監督は「どんな展開になるか分からなかったので、球数が増えても最後まで達でいくつもりでした。彼なりにしっかり投球を組み立ててくれた」と合格点を出した。それでも、「立ち上がりがよくなかったので30点くらいです」と右腕の自己採点はかなり厳しめ。頂点を目指しているからこそ、ここで満足はしていられない。

 新チームの投手キャプテンに任命されて間もない頃、母・るみさん(44)にこんな言葉を漏らしていた。

 「もっと練習せなうまくならんねん」-。

 強豪のエースを任されるようになり、責任感を強く持つようになった達は、誰よりも早く練習に出るようになった。「ガラスのハートだった子がこんなことを言うようになったのか、とビックリしたんです」とるみさん。この1年で、息子の急成長を感じたという。

 次戦の相手は、強力打線が売りの健大高崎だ。「全部三振を取るという気持ちでいく」と意気込んだ。達の実力は、まだこんなものじゃない。

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