「オープン戦、日本ハム３－２ロッテ」（１６日、札幌ドーム）

　左手一本ですくい上げた打球は、左翼席へと突き刺さった。まばたきすら許さぬ高速の低弾道アーチ。日本ハム・中田がオープン戦２試合連続となる先制の３号２ランを放った。「打球は上がらなかったけど、スタンドまで届いてくれてよかった」。言葉とは裏腹に、涼しい顔でダイヤモンドを一周した。

　０－０の初回、２死一塁。カウント２－２から、２球ファウルでしのいだ。迎えた７球目、小島の外角低めの直球をすくい上げた。「追い込まれた後に、しっかりファウルで粘っていい形で打てたと思う」。フルスイングとはいかないが、狙い通りの一発だった。

　キャンプ中は自身の状態を「ゴミ」と嘆くほど絶不調だった。オープン戦に入ると８試合で１９打数６安打、打率・３１６の成績だが、栗山監督は「普通だろ、４番バッターとして。悪くはないと思うけど、とにかくもっと状態を上げてほしい」と物足りない様子だ。

　とはいえ直近５試合で３発を放つなど上り調子の中田。開幕も間近に迫り、主砲のお目覚めは近い。