沢村、大ベテラン代理人は好材料 コロナ禍の米球団減収に懸念も…米FA市場解説
ロッテ・沢村拓一投手(32)が30日、今季取得した海外FA権を行使すると表明した。ZOZOマリンスタジアムで取材に応じ、「自分の悔いのないような選択をしたい」と話した。中大時代、プロに入ってからも変わらずに夢を描き続けてきた米大リーグ挑戦へ、ついに本格的に動き出す。
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150キロ後半の速球とスプリットは魅力だ。わずか22試合とはいえ、ロッテ移籍後の好投は大きなセールスポイントになる。巨人時代の成績に対するメジャーの評価が契約条件のカギになるだろう。
沢村が賢明だったのは代理人に約40年のキャリアを誇るボッグス氏を選んだことだ。現役晩年のイチローの契約をまとめ、平野のメジャー移籍や元阪神・ジョンソンのMLB復帰にも尽力した。実績は十分だ。
懸念されるのは、新型コロナウイルスの感染拡大によるMLB各球団の大幅減収だ。ドジャースの損失が1億ドル(約104億円)を超えるなど、補強資金に影響する厳しい状況に直面している。
現に今オフの米FA市場の動きは非常に遅い。最優秀救援投手のヘンドリクスや最多セーブのハンドら、約70人のリリーバーが未契約のままだ。沢村は国内移籍も視野に入れているとのことだが、条件にこだわれば、長期戦が予想される。(デイリースポーツ・MLB担当・小林信行)