巨人・坂本、球児にはなむけ 惜別のフルスイング三振

 「阪神0-4巨人」(10日、甲子園球場)

 全て148キロの直球勝負。巨人・坂本も全力で応えた。九回先頭の場面で場内には「代打・坂本」とコールが響く。この日の主役・藤川への万雷の拍手が球場を包む中、背番号6はゆっくりと特別な打席に向かった。

 時折、白い歯を見せた藤川に対し、坂本は表情を一切変えなかった。「僕が出だしの時からスーパーピッチャーで、球児さんから初めてホームラン打ったときのことは鮮明に覚えている。それがすごく自信になった。最後こうやって打席に立ったというのは光栄なこと」。名勝負を繰り広げた二人の最後の勝負。坂本はかみしめるように初球の直球を見逃した。2球目はフルスイング。ボールはバットの上を通過した。いつもの浮き上がるような軌道だった。

 そしてファンが固唾(かたず)をのんだ4球目。魂の込もったボールは外角を突き、坂本も呼応。大きく体をのけぞらせるスイングで空振り三振に倒れた。「梅ちゃんに、全然まだまだできるねっていう話していたんですけど。すごい良いボールきていました」

 藤川に視線を送ることなく悔しそうにベンチに引き揚げたキャプテン。原監督も「やっぱり対戦させたかった。非常に歴史に残る選手の一人だと思います」と代打起用の意図を明かし、濃密な約1分半に熱視線を送った。

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