近大・佐藤 タイムリー&1盗塁 虎スカウト9人視察、ドラフト前最終戦に6球団集結

 「関西学生野球、近大5ー1関大」(19日、ほっともっとフィールド神戸)

 ドラフト会議を約1週間後に控えた19日、1位候補の近大・佐藤輝明内野手(4年・仁川学院)をプロ6球団が視察。阪神は今秋最多の9人態勢でチェックした。スカウト陣らの熱視線を浴びる中、佐藤は3打数1安打1打点1盗塁で勝利に貢献。最終節で立命大が同大に1敗でもすれば近大の優勝が決まる。

 小雨の中、シートノックも始まらない試合開始1時間前から続々と阪神スカウト陣が姿を見せる。お目当てはもちろん、ドラフト前最後の一戦を迎えた近大・佐藤だ。プレーボールがかかるころには、ネット裏に和田豊テクニカルアドバイザーや畑山統括スカウトら球団スタッフを含む、今秋最多の異例の9人態勢となっていた。

 注目度の高さは疑いようのないものだ。この日、阪神以外には巨人、DeNA、ソフトバンク、日本ハム、そしてすでに佐藤の1位指名を公表したオリックスと計6球団が集結した。その中で、ソフトバンクは2人態勢でその他4球団は1人での視察。阪神は9月5日の近大の開幕戦を6人態勢で視察していたが、それを上回る形で最終戦を締めくくった。

 ドラフトまで1週間となり、白熱するドラフト戦線。熱視線を浴び続けている佐藤は、前日の現行のリーグ新記録の通算14号弾に続き、この日も見せ場を作った。「チャンスで打てたのでそこは良かったと思います」。4点リードの四回2死一、三塁で、強烈なライナーを右前に運ぶ適時打で存在感を示した。

 今春のリーグ戦が中止だった中、今秋の10試合で3本塁打を放ち通算本塁打の新記録を達成。リーグ通算88安打69打点で打率・288。加えて、数字だけでは表現できないスケール感を示してきたからこそのドラフト1位の評価だ。それでも、佐藤は4年間の結果に満足していない。

 「もっとヒットを打ちたかったですし、バッティングだけでなく守備や走塁でもまだできるところがあるんじゃないかと思います。これが今の自分の実力と受け止め、次のステージにしっかりやっていきたいと思います」

 12球団OKの姿勢で待つ運命の一日。「(ドラフトは)なるようにしかならないので」。自然体で、その時を迎える。

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